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<読書>アジア主義 その先の近代へ…新たな可能性 丹念に探る

 「なぜ今、アジア主義なのか」この150年の日本と韓国、中国などアジアとの関係を綿密にたどり、その中で日本人が思考した「アジア」という課題を再確認することは、現在の我々が直面するアクチュアルな課題そのものに向き合うことにほかならないためだ、と著者は強調する。

 かつて福沢諭吉は「脱亜入欧」を唱えたが、現在は「離米入亜」を漸進的に構想すべき時期だと主張。この時、最大の課題となるのは「歴史認識問題」だとし、日本が明治以降、近隣諸国との間に引き起こした帝国的支配と軍事的コンフリクトをいかにとらえるかは、現在においてもアジアにおけるホットイシューであり最大の懸案事項だとする。日本国民は戦後、自国の近代史を熟慮したうえで反省したのではなく、歴史の忘却による反省のポーズをとってきたためだ。

 著者は、アジア主義にはさまざまな問題があったが、その根底には磨けば輝く思想の原石が存在し、その原石こそが、我々が直面する問題に、さまざまなヒントを与えてくれる存在だと確信する。

 アジア主義が侵略主義の別名として全面否定される中、その可能性を捨てなかった竹内好を導き手として、アジア主義者らの言動を丹念にたどり、その功罪を明らかにし、そこから新しい可能性の抽出を目指している。

中島岳志著
潮出版社
(1900円+税)
03(3230)0781

(2015.4.29 民団新聞)
 

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