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<生活>韓国を理解する心も 自主サークル「楽しいハングル」 |
「まず言葉から」勉強の10人
60歳以上を対象に、高齢者の生涯学習と社会参加を目的に開催されている品川シルバー大学(東京・品川区)の「うるおい塾」で韓国語を学んだ受講生たちが、さらに学習を続けたいと2002年に発足した自主サークルの「楽しいハングル」(川上剛代表)。メンバーは60代から80代の10人。毎週金曜日、同区のゆたかシルバーセンターで、勉強に励んでいる。
毎週金曜日、「楽しいハングル」の勉強は2時間行われる。「つきあいのできる文化だから面白い」と話すのは、代表の川上さん。歴史に興味はあった。初めて訪韓したのは30年前。これまで10回ほど韓国を訪ね、韓国人の優しさや、礼儀正しさも知った。
「同じアジア人だし、偏見はありません。国によって見方が違うのは当たり前、だからこそ相手を理解するためには、お互いの国の言葉を話せないとだめ」
授業の途中、見学の女性が訪ねてきた。「アンニョンハセヨ‐。オソオセヨ」。韓国語の指導にあたる朴順祚さんが笑顔で迎え入れた。席に腰掛けるや「みんなゆっくりやっているから大丈夫ですよ」とかけた。朴さんは「一芸ボランティア」として、「うるおい塾」で韓国語を教えていたが、授業は10回で修了。当時のメンバーたちの熱望により02年から「楽しいハングル」で指導してきた。
発足当時のメンバーは3人いる。「話すのは難しい」と話す大森達郎さん(73)、授業中に何度も質問していた松村喜美枝さん(77)はともに、韓国語の検定に挑戦。希望の級に合格した。
朴さんの授業は、いろいろなパターンの例文を紹介していくのが特徴だ。「教科書的に教えたらだめですね」と朴さん。
今年4月、3泊4日の日程で韓国、珍島へ旅行した。朴さんは「自分は一切前に出ない、タッチしない」と決めていた。切符の購入も、タクシーで行き先を告げるのも、食事の注文なども、メンバーたちは戸惑いながらもやり遂げた。朴さんは「皆さんの力になっていると思うと、とても嬉しい」と目を細める。
韓国語習って親切の恩返し
石橋信子さん(66)はある韓国人と知り合ったことから、韓国人に対する見方が180度変わった。それまで、何となく怖い、嫌いという、自身の気持ちのなかに韓国人を否定する差別意識はあったと話す。
「韓国の方と知り合いになり、韓国に行ってびっくりしたんです。今まで日本人に感じない感動を得ました。日本人である自分をこんなにも信用してくれるのかと思ったら、韓国語を習ってお返しするしかないと思いました」
勉強を続けて6年半。「韓国の方に対する偏見はほとんどなくなりました。それは私が韓国語を始めて1番嬉しいことです」。「私の最大の希望は韓国語が話せるようになることです」と、ステップアップ目指して頑張っている。
(2008.11.26 民団新聞)
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