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橋田欣典(共同通信記者)
パンドラの箱
 
日朝首脳会談が終わり、新しい未来が詰まっていると多くの人々が思っていた真実という名の「パンドラの箱」からは、代わりに悲劇と苦悩が噴き出した。箱の底に希望は残っているのか?答えは出ていない。

 国籍、民族の壁を越えて興奮と感動を呼んだサッカーのワールドカップ(W杯)が終わって、まだ3カ月も過ぎていない。会談は安全保障の面で世界的に評価されたが、被害者の悲劇は日本に住む人々の心にやり場のない悲しみを残した。そして在日の中で北朝鮮を支持してきた人々の「自分が信じたこと、言ってきたことがうそになってしまった」苦悩を目の当たりにした。W杯の際、南北の壁を越えてひとつの「在日」となり輝いていた彼らの瞳は今は暗く曇っている。

 「ここで『植民地時代に日本は強制連行をしたじゃないか』といっても、いたちごっこ。憎しみあうことからは何も生まれない。子供たちに矛先を向けないでほしい」。朝鮮学校で教師をしていた20代の女性の声は鋭く胸に刺さった。

 朝鮮通信使にまつわる悲劇を描いたミュージカル「つばめ」の脚本家、ジェームス三木さんの「国と国との争いで個人は常に犠牲になる」という言葉が、いつまでも心に残る。恨みが恨みを呼び、国の争いが激しさを増しても犠牲になるのはやはり個人。憎悪の連鎖を断ち切ることはできないのか。

 植民地支配、南北分断の恨みと偏見に満ちた日本と朝鮮半島の20世紀は終わった。「憎みあうためにではなく、愛し合うために生まれた」(ギリシア悲劇「アンティゴネ―」)人間の責任が今、問われている。
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