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| | ＡＳＥＭでバローゾ欧州委員長らと談笑する李明博大統領＝前列中央
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「通貨戦争」どう裁く 試練のＧ20焼肉・韓食
ベルギーのブリュッセルで4〜5日に開かれたＡＳＥＭ（アジア欧州会合）で韓国は、定例化されて初めての主要20カ国・地域（Ｇ20）首脳会議を開催する国、グリーン成長をいち早く国家戦略と定めた国、アジアとヨーロッパの架け橋的役割を果たせる国として、大きな存在感を示した。その韓国にとって、「通貨戦争」をどう裁くか、11月11〜12日にソウルで開催されるＧ20首脳会議は大きな試練となる。
48カ国の首脳や代表が参席したＡＳＥＭの、最初の発言者は李明博大統領だった。議長のベルギー首相から、「最初の主題は世界経済のガバナンスについてだ。Ｇ20の議長国である李大統領から口火を切っていただきたい」と促されてのものだった。会議に参加した国家元首33人のうち、ベルギー国王が単独の晩餐会に招待した唯一の首脳も、李大統領だった。
声明に「韓国色」
韓国代表団は、「Ｇ20議長国として、自国に有利な議題と内容を反映させようとするロビー活動を頻繁に受けた」と明らかにした。会議結果を整理する議長声明や「宣言」にも、韓国の意向が色濃く反映されている。
声明には、「天安艦事態に対する深い懸念を表明し、類似の追加攻撃の再発が防止されねばならない」こと、「離散家族再会など南北関係と関連する措置に注目し、離散家族再会の定例化を奨励して、こうした措置が南北間の真の対話および協力につながることを希望する」ことが盛り込まれた。
天安艦事件では、中国が今回も反対したと伝えられるなか、他の会員国から圧倒的な支持を得た意味は大きい。離散家族の再会定例化を促したことも、国際的な人道問題として改めて浮上させる意味を持つ。いずれも、北韓に対する韓国の立場を補強する。
さらに、李大統領が主唱してきたグリーン成長と関連し、韓国政府が主導する「グローバル緑色成長研究所（ＧＧＧＩ）の設立に注目し、ＡＳＥＭ次元で協力拡大の意志を表明する」との内容が含まれたこともまた、大きな成果と言える。
ＡＳＥＭが閉会した翌6日、韓国とＥＵ（欧州連合）のＦＴＡ（自由貿易協定）が締結されたことも、参加国が韓国に対する関心を高める格好の材料となった。現地ベルギーのメディアはそろって、ＥＵが今回の首脳会議を通じてアジアとの協力を強化したとし、その代表的な例として韓国・ＥＵのＦＴＡ締結を挙げた。
韓国はまた、尖閣諸島（釣魚島）問題で対立する中国と日本の間でも、4日に菅直人首相、5日に温家宝首相と個別に会談し、仲介者としての役割を積極的に果たした。
李大統領は、「たとえ紛争を抱えているとしても、3カ国が協力しなければならない分野がある」として、今月末にベトナムのハノイで開かれるＡＳＥＡＮ（東南アジア諸国連合）＋3会議に合わせて、韓・中・日の首脳会談開催を提案し、合意を導いた。
問題はＧ20首脳会議である。ＡＳＥＭでは議長声明とともに採択された「世界経済ガバナンスに関するブリュッセル宣言」で、「ソウルＧ20首脳会議の開催成功のため、ＡＳＥＭ首脳が積極的に協力する」と謳われた。会議成功に全力を注いでいる韓国への力強い後押しになったのは間違いない。
世界経済に寄与
しかし、ドル安・円高や人民元固定レート制問題ばかりか、ここにきて日本政府は異例にも、韓国のウォン相場安定のための市場介入を非難し、新たな火種を投げ込んだ格好だ。「通貨戦争」とも言われる緊迫した国際経済状況のなかで、Ｇ20首脳会議の舵取りは極めて困難になっている。
李明博大統領は「これまで、韓国は生きるために走ってきた。世界経済のために寄与するのは、檀君以来、初めてのことだ」と意気込む半面、「焦燥感があるのも事実。通貨問題などで合意に至らず、自国の利害だけを主張し合えば、保護貿易主義に向かうことになり、世界経済を難しくする。非常に慎重になっている」と苦しい心境をのぞかせた。
Ｇ20首脳会議が世界経済を率いる最高位の協議体として定着するには、中核的懸案である為替問題で前進することが必須の要件だ。各国が生き残りを賭けたつもりの保護貿易主義が、1930年代の世界大恐慌につながった苦い経験も想起されている。
世界経済が共倒れへの道を回避するためだけでなく、海外依存度の高い貿易立国・韓国が生き残るためにも、世界経済の萎縮を招いてはならない。議長国・韓国は神経をすり減らすことになりそうだ。
（2010.10.20 民団新聞）
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