【ソウル】朴槿恵大統領は15日、メディア各社の政治部長を青瓦台に招いての夕食会で、訪米成果について説明するとともに、北韓問題をはじめ中国や日本との関係などについて率直な考えを語った。朴大統領は北韓核・ミサイル開発問題での中国の変化を強調、「北韓は中国に多く依存しているため、北韓を変化させるのに中国の役割が重要だ」と述べ、「できるだけ早い時期に中国を訪問したい」と表明した。

「統一実現へ国際協力強化」

　朴大統領は「中国は国連安全保障理事会による北韓制裁決議に対して積極的に賛同し、自らそれを履行するなど、これまでとは違った態度を示している。米国など他の国も中国に期待している」と指摘した。また、中国からさまざまなルートを通じて「早い時期の訪問要請」があることを明らかにし、「習近平総書記（国家主席）など中国政府の指導部と積極的に意見を交換したい」と述べた。

　朴大統領は「今回の訪米で、韓半島信頼プロセスに対して米国側の確固たる同意を確保でき、東北アジア平和協力構想についても米国政府だけでなく米国議会でも幅広い共感と理解を得ることができた」と強調した。

　開城工業団地に残された製品などの返還交渉を北韓に提案（14日）したことについて朴大統領は「開城工団の閉鎖はあり得ないことだ。（世界が見ており）もし完成した製品や原材料の返還を北韓が拒否するのであれば、北韓は徐々にコーナーに追い込まれていくだろう。北韓はこうした部分で紳士的に行動しなければならない」と改めて促した。

　自身の対北韓政策「韓半島信頼プロセス」については「（北韓が）今のまま変化しないから方法がないと諦めるのではなく、こちらから積極的に国際社会と協力し努力することで、北韓が自ら変化を選択するよう促すものだ」と説明。

　「北韓が変化して国際社会の責任ある一員として行動する時、我々も積極支援し、北韓が発展していけるように国際社会と一緒に力を傾けるということを明確にするのが最も実質的な（対北韓）方針だ」と力説。「必ず統一を実現させなければならない」とし、「統一の究極的目標は南北ともに国民の生活の質を高めることだ。大韓民国の国民が享受している自由と繁栄を、北韓の住民も享受できるようにしなければならない」と表明した。

　日本については「日本は自由民主主義や市場経済などさまざまな価値観を共有し、さらに安全保障や経済でも互いに協力していかねばならない重要な国である」と強調。

　同時に「それなのに、こちらのつらい傷を何度もほじくり返し、（韓国の）国民を刺激している。東北アジアの国々は良いことのために力を合わせていかねばならないが、（日本は）逆に障害をつくり出している」とし、「日本は自らの経済力に見合ったリーダーシップを発揮する必要がある」と述べた。

（2013.5.22　民団新聞）