世界経済の悪影響を緩和 発効から2カ月で 韓国関税庁の20日発表によると、韓米FTA(自由貿易協定)が発効した3月15日から5月14日までの2カ月間、韓国全体の貿易額が減少したにもかかわらず、米国向け輸出額は前年同期比で11・3%(11億4000万ドル)増加した。FTA効果をはっきり示すものとなった。 この2カ月間の韓米両国間の貿易額を見ると、米国向け輸出額が前年比11・3%増の111億8000万ドル、輸入額が同2・0%増の77億3000万ドルであった。対米貿易収支の黒字額は昨年の24億6000万ドルから34億5000万ドルと、40・2%も増加した。 中国の経済成長の鈍化とEU(欧州連合)圏内の財政危機で、同期間の韓国全体貿易収支は、輸出額が前年比4・0%減の934億ドル、輸入額が同2・3%減の889億6000万ドルと不振であった。この結果、全体の貿易収支黒字額は44億4000万ドルで、このうち、米国向け貿易収支黒字額が全体の77・7%を占めた。 米国向け輸出の拡大は、韓米FTAの発効によって関税が引き下げられた品目が主導した。1バレル当たり52・5セントの関税が撤廃されたジェット燃料など石油化学製品の対米輸出が42%増加したのをはじめ、自動車が31%、自動車部品が15%増加するなど、関税引き下げ品目の輸出が平均19・4%拡大した。関税引き下げ対象から外された品目の伸び率の6・9%と比べると大幅な伸び率で、FTA効果をはっきりと示す形となった。 釜山のアウトドア用履物メーカー・トレックスターは、履物にかかる関税(2・7〜10・0%)が韓米FTAでほとんどゼロになり、米国からの注文が殺到しているという。 京畿道の自動車部品・光学機器メーカーも、米国からの注文に追われている。 一方、韓国全体輸出額の45%を占める中国、EU、日本向けの輸出は大幅に減少した。 4月の対EU輸出は前年比20・7%、対中輸出が2・9%とそれぞれ減少した。対中、対EU輸出の減少は2カ月連続。4月の対日輸出も同22・8%の減少で、09年10月以来の減少傾向に転じた。 大韓商工会議所が米国やEU向け輸出企業600社を対象に実施したアンケート調査(16日発表)によると、「米国、EUとのFTA発効効果を実感しているか」との設問に対し、対米で58・8%、対EUで67・5%が「実感している」と回答した。また、両FTAを契機に、輸出企業の海外市場開拓が活発に進んでいることが分かった。「現地の販売価格を引き下げた」との回答も30%にのぼった。 (2012.5.30 民団新聞) |