【ソウル】政府は9月26日、青瓦台で緊急外交安保長官会議を開き、北韓漁船が最近相次いで西海の南北軍事境界線と位置付けられる北方限界線(NLL)を越えていることを受け、12月の韓国大統領選挙に介入しようとする「計画的挑発」と判断、これをやめるよう要求した。青瓦台の朴正河報道官が伝えた。 会議を主宰した李明博大統領は大統領選挙を控え、強固な安保態勢を維持するよう指示した。会議では北韓の挑発に備えるとともに、挑発時には強硬な制裁を加える方針を再確認した。 また、同24日に開催された韓中外相会談で中国側がNLL付近で操業する自国漁船を撤収させるとしたことを評価した。 北韓漁船は25日夜にもNLLを侵犯するなど、同11日以降、侵犯を繰り返しており、政府は計画的挑発の兆しがあるとみている。北韓軍は、北韓漁船がNLLを侵犯するたびに一部の海岸砲の砲口を開いていたことが分かっている。 政府はまた、北韓が漁船のNLL侵犯だけでなく、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)や韓国向け宣伝放送などさまざまなルートで大統領選挙に介入する可能性が高いとした。北韓はメディアを通じ「朴槿恵がわれわれに対する対決姿勢を見せ始めた」と非難するなど、与党セヌリ党の朴大統領候補に対する攻撃をエスカレートさせている。 柳佑益統一部長官は同27日の記者懇談会で「北韓メディアが大統領選に介入しようと試みる報道や論評の回数をかなり増やしている」と指摘し、選挙への介入を即刻中断すべきだと述べた。 (2012.10.3 民団新聞) |