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<布帳馬車>「山谷ブルース」
 「山谷ブルース」(岡林信康作)を聞くと、60年代後半の一時期、実家の工場でゴムのプレス加工業を手伝っていたころのことを思い出す。工場は一家の主を失った母親と長兄が、生計維持のため数台のプレス機を購入して始めた。

 私も大学受験に失敗した翌日、人生の敗残者になったような思いで出勤した。それが母親との無言の約束だった。浪人など当時の経済状況が許さなかったからだ。

 作業は金型にゴムの生地を並べ、150度前後の熱でパッキンなどを成型するという単純労働の極みだ。工場の室温は40度以上になり、夏はかなりつらい。風呂に入ってスポンジでごしごし体をこすっても、染みついたゴムの臭いまでは消せなかった。それでいて1個あたりの手間賃は数銭にしかならない。将来に希望を持てずにいたとき、ラジオから偶然流れてきたのが岡林信康の「山谷ブルース」だった。

 当時は毎日を刹那的に生きていた。週末になると、夕方から職人仲間と工場で酌み交わす酒宴が唯一の楽しみだった。ビールをあおりつつ、このまま無為に年を重ねていくのではと、漠とした焦燥を感じていた。その工場も設備投資がたたり数年前、銀行からの借金を返せないまま倒産した。

 だからこそ民団が、いわゆる「派遣切り」失職者への救済策として、在日韓国商工会議所の協力を得ながら、在日同胞が経営する企業の求人情報を提供していることには強い共感を覚えた。「明日は我が身」だからだ。(K)

(2009.1.28 民団新聞)
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