韓国側は毎年4000人余が死亡 南北それぞれ100家族を対象として約3年ぶりの離散家族対面行事(9月25日から30日)が北側によって一方的に延期されから1カ月になる。南北それぞれ40家族を対象としたテレビ中継による画像対面(10月22、23日の予定)も実施されなかった。 1000万人といわれてきた離散家族の再会問題は、最優先的に解決されなければならないわが民族最大の人道的問題だ。分断と6・25韓国戦争によって離ればなれとなり、この間再会を果たせずに多くの離散1世が亡くなった。離散家族にとり、残された時間は多くない。 韓国側は、時間との闘いとなっている離散家族の再会実現へ対面行事の速やかな再開と定例化を促しているが、北側は応じていない。 離散家族のうち、これまで再会・対面を果たしたのは、南北合わせても2万余人(家族・親戚含む)にすぎない。高齢化によって再会を果たせずに亡くなる家族が後を絶たず、残り少ない時間との勝負となっている。 離散家族統合情報センターによると、72年から離散家族再会を申請した12万9035人(8月基準)のうち、5万6544人がすでに死亡している。 残った7万2000余人のうち、70歳以上の高齢者は全体の80・5%を占めている。このうち80歳代の割合は、10年前の03年は18・3%だったが、今は40・6%に。 ちなみに9月25日から予定されていた第19回対面事業の韓国側の対象者の平均年齢は83歳、北側の対象者も80歳以上が75%を占めていた。韓国側の対象者に選ばれた金ヨンジュン氏(91)は対面予定日を6日後に控えた9月19日に亡くなった。 韓国側の再会申請離散家族は毎年4000人余りが、北側の家族らと再会できないまま死亡しており、今後20年も過ぎれば離散家族1世は全員亡くなると大韓赤十字社では推測している。 これまでの再会・対面方式だと1回の行事で会えるのはわずか100人、しかも実施されるのは年に1回か2回。これでは韓国で再会を待つ7万200余人全員が親、兄弟姉妹や子どもらに再会するのに720年を要する計算になる。現行方式では離散家族問題の解決が不可能なことは明白だ。 現代経済研究院は「離散家族が死ぬ前に一度でも対面するためには、毎年7000人以上に対面対象を増やさなければならない」と推算している。 韓赤側は、さる8月22日の南北赤十字実務者協議で、対面規模をこれまでの1OO人から200人に増やし、場所も交通・宿泊が不便な金剛山からソウル・平壌に変更し同時交換訪問とすることを主張した。 だが、北側の反対で対面の方法や形式はこれまでの慣例に従うことになった。2泊3日の日程で、対面は北側の厳しい制限・監視下に行われ、家族同士の宿泊は許されない。 また、韓赤側は、離散家族問題の根本的な解決に向けた1,対面事業の定例化2,離散家族の生死・住所の確認3,生死が確認された離散家族の書信交換などを提案したが、進展はなかった。 北側の強い反対により、いまだに、離散家族の自由な南北往来と自由意思による再結合はもとより、定期的な再会と書信の交換すら保証されていない。 韓国政府は、これまで「再会が難しい場合、少なくとも家族の生死だけでも確認しよう」として、離散家族の情報をデータベース化できる装備の支援などを提案した。しかし北側は、この提案にも応じなかった。 (2013.10.30 民団新聞) |