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<中央大会>英知とエネルギー結集へ 金宰淑団長(03.04.02)
在日同胞の求心体として総力結集
地方参政権問題決着・民族金融機関発展など

 昨年わが国は日本と共催したワールドカップサッカー大会(W杯)を成功裏に終えることができました。韓国代表チームは世界的なスポーツイベントで4強という快挙を成し遂げ、在日同胞も韓国人としての矜持を再確認する1年となりました。

盧武鉉新政権への期待

 史上初の共催を契機に、過去の一時期に不幸な関係にあった韓日両国が、様々な文化交流を進展させながら親しい隣人関係を深めたことも大きな成果となりました。

 去る2月25日、わが国では「国民の参与」で21世紀初頭の韓国の舵取りを進める盧武鉉新政権が出帆しました。私たちは盧大統領が毅然とした姿勢で北韓の核開発を阻止し、韓半島の平和定着と安全を確保しながら南北間の真の和解と協力を進展させるよう大いに期待するものです。同時に、韓日関係の深化と紐帯強化に力を注ぎ、ひいては在外国民である在日同胞の保護と育成、発展に尽力されることを切に願うものです。

 私たち在日同胞も本団に結集し、盧武鉉大統領の様々な課題実現に向けた努力に対して、在外国民の立場から本国国民と歩調を合わせていきます。

 私たちが長年全力を傾注してきた地方参政権問題は、いわゆる「教科書問題」や首相の靖国神社参拝に象徴される日本の保守派台頭によって、選挙権法案が継続審議のまま保留状態が続いています。

 しかし、参政権問題とも関係のある各地の住民投票条例改正では、各地民団の活動の成果として、全国的に永住外国人にも門戸が広がり始めており、すでに在日同胞が実際に投票権を行使しています。これは自治体が在日同胞を地域住民として認知している証拠です。この追い風を受け、強い意志で参政権獲得に全力を傾けていきましょう。

経済的苦境乗り切ろう

 次に、焦眉の課題となっている民族金融機関の健全な発展を図る問題については昨年、金融不安の解消と民族金融機関の体力強化を図るべく、現存組合と当該の民団、商工会議所などで構成する「同胞金融支援地域協議会」を組織しました。昨年6月にはソウルにおいて「拡大組織幹部会議」を開き、在日同胞の総意をもって、本国政府に対し信用組合に対する緊急財政支援の統一行動を行いました。

 2005年4月のペイオフ解禁を控え、「韓信協」会員組合は現在、一丸となって現在預金増強運動を展開しています。健全かつ信頼できる民族金融機関を育て、発展させるのは、在日同胞の使命です。一致団結した同胞の力で経済的苦境を乗り切っていきましょう。

 過去3年間を振り返れば、民族金融機関の危機的な状況に対処するため、全同胞的な銀行設立を成し遂げようと努力しましたが、日本金融当局の政策変化と私たち同胞側の意見不一致等のために霧散してしまいました。この件については今も深い反省を込めて実に遺憾に思う次第です。

 しかし、韓日共催のW杯開催前にして起きた「教科書問題」においては、私たちは歴史をわい曲する「教科書」採用を組織的に阻止しました。また、W杯では史上初の総連同胞との「共同参観団」を構成して、祖国の地で韓国民と一体になって応援することで在日同胞の和合と統一への大きな契機を作り出しました。

 あわせて、次代の同胞社会を担うオリニたちのために、ソウルでオリニジャンボリーを2年連続で開催し、オリニたちには同胞としてのプリを、保護者には共通の課題を実現するためのネットワークづくりに尽力してきました。この事業に対して、日本の文部科学省の後援が得られたという事実は、私たちが掲げる民族教育や多文化共生教育が普遍性をもっていると認められた証拠でもあります。

 私たちを取り巻く環境は日々変化を続けています。米国などによるイラク攻撃とともに、北韓の核問題により韓半島に戦争の危険が連動するのではないか、という不安があります。また、北韓による日本人拉致問題や北の核開発問題が総連組織を動揺させ、多くの総連同胞の組織離脱が、歯止めがかからないほど急増しております。これらの現象は、いわば在日同胞社会の大きな構造変化が目前にあるということを示しています。

 私たちには地方参政権問題の決着と民族金融機関の揺るぎない土台づくりと発展をはじめ、同胞の生活に密着した民族教育問題や福祉問題等、様々な課題が課せられています。世代交代に伴う同胞の価値観の多様化等は、これまで以上に在日同胞の求心体としての役割を求めています。生活者団体としての本団は、その課題実現に応えなければなりません。

同胞和合の精神で団結

 再度、同胞の英知とエネルギーを結集し、同胞の支えになる民団、文化発信ができる民団、そして韓日両国をつなぐ民団として力強く前進していきましょう。

 私たちはこれまでの闘いの歴史のなかで培ってきた経験を生かし、本団を中心に同胞和合の精神で団結し、同胞社会の指導母体として今後も果敢に前進していきましょう。

在日本大韓民国民団中央本部
団長 金 宰 淑


(2003.04.02 民団新聞)
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