民族の生活と文化を彩る 5方色の輝き 韓国館のホームページ www.koreapavilion.org www.expo2005.or.kr 愛知万博のメインテーマ「自然の叡智」は、21世紀において人類と自然・地球が存続可能な発展の方向へと転換して未来社会を築くことの大切さをメッセージにしたもの。そのために、IT技術を含め、これまでに人類が獲得してきた経験と知識と知恵のすべてを傾けて、人口問題や環境問題など地球が抱える課題に対し、「自然の叡智」(自然のすばらしいしくみ)に学びながら解決する指針を模索する。 万博会場では、地球の記憶と未来、伝統のわざと最先端技術、世界の文化と祭り、その豊かな地球交流を体感することができる。 地球大交流を実現する長久手会場と、自然と人が語り合う愛・地球博の原点・瀬戸会場の2カ所に分かれる。 メインの長久手会場は、120カ国の外国館を地域別に6つのゾーン「グローバル・コモン」からなる。コモンは自然と共生する人間の共同体やライフスタイルを意味する。各ゾーンはループ(回廊)で結ばれているのでわかりやすい。バリアフリーの回廊が世界を結び、世界に向けてメッセージを発信する。 ■□ 守護神・虎が出迎え 韓国館の太極マークと五方色の蝶をダイナミックにあしらった伝統的凧の文様は、現代的な洗練さと東洋的な伝統美の調和を主なコンセプトにしており、見るものを圧倒する。時間と空間を超越した伝統と現代、そして未来との融合を表現し、希望や幸福の象徴であり、無限の知恵と発展を象徴した。 韓国館に入ると、チマ・チョゴリ姿の案内役と5色の韓紙で作られた大きな虎が出迎えてくれる。檀君神話にも登場する虎は韓国人にとって親しみある動物で、守護神ともいえる。 太陽の光は地上に降り、数百の色彩を放つ。光の言語である数多くの色の中で韓民族は5つの色−青・赤・黄・黒・白(5方色)に特別な意味を与え、固有の文化を創り上げてきた。これは陰陽五行思想に基づくもので、五方色は韓民族の生活と密接な関連を持ってきた。 鬼を追い払うために婚礼の時に新婦が紅をぬること、悪気を防いで無病長寿を祈るため満1歳の子どもに色鮮やかなチョゴリを着せること、醤油壷に赤い唐辛子を入れ金縄を巻くこと、宴会の時に蕎麦にのせる五色の薬味等々、生活のさまざまなところで目にする。 韓国館の主な展示物はこの5方色のコーナーで構成。随所にIT技術が駆使され、見るものを楽しませる館内は、全体的に照明を落として落ち着いた雰囲気を漂わせている。 ■□ 5方色コーナー ■青 5方色の最初のコーナーが「青」。陰陽五行思想では春にあたり、水や空、植物を象徴し、清らかで力強い生命力を示す。ウォータースクリーンにニシキゴイが映し出され、観覧者が差し出した手に集まってくる。また、観覧者の足元でもコイが泳ぎ回る。 ■赤 「赤」は夏。太陽や火の象徴であり、韓国人の熱情やダイナミズムを示す。壁に溶鉱炉などの映像が映し出され、最先端のディスプレイパネルを利用した130枚余りのスライドを通じて、韓国のさまざまな自然や文化が一目でわかる。 ■黄 土をイメージする「黄」はもっとも貴い色で、あらゆるものを包み込み、調和させる。名匠によって造られたスケールの大きい青・白磁の名品が並ぶ。奥には半導体のチップを活用して製作された黄竜浮き彫り模型があり、伝統と現代の調和を示している。 ■白 秋を意味する「白」は韓国人の純粋さと余白の美を表す。宙につるした6叩滷境辰療租障子で3面をおおい、天井から、韓紙で作られたぼんぼりが40個ほどつるされている。その韓紙灯が真下のガラスの台に映し出され、ガラスに埋め込まれた映像との調和が興味をそそられる。 ■黒 冬を示す「黒」のコーナーは天然の炭を積み上げて造られ、閑静な雅趣を漂わせている。水墨の山河と蝶が舞うスクリーンの前に立ち手を差し出すと、数羽の蝶が寄ってくる。自然と一体になる体験が観覧者に人気で、代わる代わる手をかざしている。牛を連れた子どもが歩いていく水墨アニメも好評だ。 |