【ソウル】韓国と北韓は9日午前から10日未明にかけて、南北軍事境界線にある板門店の韓国側施設「平和の家」で行った南北長官級会談の開催に向けた実務協議で、12日から2日間ソウルで当局会談を開催することで合意した。 会談の公式名称は「南北当局会談」。北側代表団は京義線陸路を通じ、ソウルに入る。 ただ、南北双方は議題と会談に参加する首席代表をめぐる最終合意に至らず、それぞれ異なる内容の発表文を出した。12日からの高官級会談で、開城工業団地の正常化など南北間の懸案を打開する突破口を開けるか注目される。 議題について、韓国側は「開城工業団地の正常化問題、金剛山観光の再開問題、離散家族再会をはじめとする人道主義問題など緊急に解決すべき問題を協議することにした」と発表した。 しかし北側は、これらの問題のほか、「6・15南北共同宣言13周年および7・4南北共同声明41周年の合同記念行事問題、民間往来と接触、協力事業推進問題など南北関係で緊急な問題を協議することにした」としている。 会談代表団をめぐっても、南北間の発表に隔たりがあった。統一部によると、韓国側は会談に柳吉在統一部長官が出席する方針を示し、北側から閣僚級の金養建・朝鮮労働党統一戦線部長の出席を要請したが、北側は応じなかった。韓国側は5人の代表団を構成し、首席代表は「南北問題を、責任を持ち協議・解決できる当局者」と発表した。これに対し、北側は「北側団長は上級当局者とする」と、曖昧な表現を用いた。 なお、南北当局間の公式協議は、朴槿恵政府、北韓の金正恩体制の発足後では初めて。2011年9月、北韓核問題6者会談の南北首席代表が北京で会談して以来、約1年9カ月ぶりだった。韓国側から統一部の千海成統一政策室長ら3人、北側は対南窓口機関、祖国平和統一委員会書記局の金聖恵部長ら3人が出席した。 千室長は10日、12日からの会談の公式名称が「南北当局会談」に変わったことについて、「北側が先に提案した。わが方も新しい時代の新しい南北関係、新しい対話次元で妥当だと判断した」と述べた。「南北当局会談」は、これまで21回開かれた南北長官級会談とは別途の新しい形式の会談だと説明した。 (2013.6.12 民団新聞) |