朴槿恵大統領とオバマ米大統領は4月25日、青瓦台で首脳会談を行い、北韓の4回目の核実験などさらなる挑発には新たな制裁を伴うと強く警告、阻止に向けて連携を強化することを確認した。また、北韓による脅威の高まりを背景に韓米連合軍司令官（在韓米軍司令官兼務）から韓国軍への戦事作戦統制権移管について、移管時期（来年12月）の見直しを検討することで合意した。作戦統制権移管の具体的な時期と条件は両国国防当局の交渉に一任した。

　オバマ大統領の訪韓は2012年3月に続き4回目で、朴槿恵政府発足後は初となる。

　オバマ大統領は、南北統一構想を明らかにした朴大統領の「ドレスデン宣言」について「核兵器と戦争から自由な韓半島のビジョンを支持する」と表明。北韓当局の住民に対する「組織的かつ持続的な人権侵害」について追及していくことで両首脳は合意した。

　朴大統領は、会談後の共同記者会見で、韓日間の過去の歴史問題と関連した記者たちの質問に対し、村山談話と河野談話の継承、軍慰安婦問題の解決など安倍晋三首相が過去に行った約束に触れ、「約束した部分については誠意ある実践が重要だ」との認識を示した。

　オバマ大統領は「慰安婦問題は実にひどい人権侵害だと考えなければならない。安倍首相と日本人は、過去が率直に認識されるべきだということを理解しているだろう」と表明。さらに「韓国と日本の国民に話したいことは、我々が過去を振り返りつつも、前に進まなければならないということだ。私の希望は我々が過去の緊張を誠実に解決すると同時に未来にも目を向けることだ」と強調、両国関係改善の必要性にも言及した。

犠牲者に黙とう

　両首脳は会談開始前に、オバマ大統領の提案によりセウォル号沈没事故の犠牲者に黙とうをささげた。

　オバマ大統領はあいさつで「韓国国民が悲しみに包まれている時期に訪韓した。米国国民を代表し深い哀悼の意をささげる」と述べた。沈没事故当日に米ホワイトハウスに掲げられていた星条旗と庭に植えられていたモクレンの苗木を哀悼の意を込めて韓国側に贈った。

　また、会談終了後、米国に違法に持ち出された大韓帝国（1897〜1910年）の国璽「皇帝之宝」など印章9点を韓国側に正式に返還した。

　オバマ大統領は26日、離韓前に朴大統領とともにソウル龍山の韓米連合司令部を訪問した。両国の大統領がともに同司令部を訪れるのは、1978年に同司令部が創設されてから初めて。

（2014.5.7　民団新聞）