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<寄稿>6・15民族共同委南側委員会へ素朴な疑問
同床異夢か同床同夢か
李明哲(大阪・自営業)

北韓追従が統一運動?
「金日成民族」押し付けに沈黙

 7月4日付け本欄「6・15民族共同委員会南側代表の『在日』認識問う」にまったく同感である。

 私も、6・15民族共同委南側委員会の言動について素朴な疑問を抱き、不思議に思っていた。なぜそこまで北側委員会の言いなりになっているのか。同床異夢なのかそれとも同床同夢なのか。

 たとえば、2000年の6・15南北共同宣言の基本精神である「わが民族同士」の「わが民族」について。北側はかねてから「わが民族=金日成民族」だと規定しており、北側(朝鮮総連および韓統連を含む)では、同規定が流通している。

無批判に受容

 わが民族にとって「金日成」とはどんな存在だったか。同族相残の韓国戦争を引き起こし、数百万同胞の犠牲者を出し、南北分断を固定化させた張本人である。しかも、その責任を取るどころか「解放戦争勝利」と自己正当化し、個人独裁と権力世襲・王朝体制づくりに力を注いだ。

 北側は、その張本人を神格化したばかりか、その名前を、わが民族の名称とし、北内部にとどまらず、南側および海外の全同胞に対して、それに従うよう求めている。

 「金日成民族」主張に対して、南側(そして海外同胞)が異議を提起、厳しく批判せずに容認するならば、わが民族は世界中の物笑いの種となること間違いない。

 だが、これまで南側委員会が、北側委員会に対して「民族」を最大キーワードとした各種共同宣言等の発表に先立ち、異議を提起し、是正を促してきたとの報道を見たことがない。もし、是正を求めているならば、その結果はどうだったのか。 希代の独裁者スターリンもロシア民族を「スターリン民族」と呼ぶようなことはしなかった。

 北側は「金日成民族」に加えて「民族の領袖=金正日将軍(国防委員長)」、「金日成・金正日父子誕生日=民族最大の慶事」とも主張して久しい。

 肝心の6・15共同宣言についても、北側は「金正日将軍の卓越した領導」によってもたらされたとしている。その上で6月14日の民族和解協議会(北側委員会の中心メンバー)「詳報」は「金正日将軍=民族の偉大な父親であり祖国統一の救星」だと強調している(総連機関誌「朝鮮新報」6月15日電子版)。

 6・15共同宣言発表7周年に際して発表されたこの「詳報」は「南朝鮮では祖国統一の宝剣である(金正日将軍の)先軍政治に対する支持称賛熱風が日毎に熱く吹き巻いている」と力説している。

 金正日委員長は、父・金日成の引き起こした南侵戦争について恥じて猛省するどころか、逆に美化し、休戦協定が調印された「7月27日」を「朝鮮解放戦争勝利の日」と定め、7番目の「国家的名節」と休日にまで制定している(97年4月)。 「先軍政治」は、韓国戦争が米国による北韓に対する侵略戦争であり、今日なお米国が韓国を軍事占領・植民地統治下に置き対北再侵略の機会をうかがっている(前述「詳報」)との虚偽と虚構を前提に「軍事を国事の第一」に継続されている。

 金委員長が、本当に「民族(同胞)重視」を第一に考えているならば、南北間基本協力合意に背を向け、しかも飢えに苦しむ人民を無視して核兵器開発を最優先するようなことはしなかったはずだ。核開発強化に象徴される先軍政治が、数百万にものぼる北同胞を餓死させたことは周知の事実だ。

 それにもかかわらず、南側委員会は、「金日成民族」押しつけに明示的に反対せず、北側の報道のように「金正日将軍=民族の偉大な父親であり祖国統一の救星」と認め、「先軍政治」を支持・擁護する声明などを発表したのだろうか。さらに、その延長線上に北側と「民族大団合宣言」(6月17日)に同意して発表したのだろうか。

誠実な説明期待

 北側の唱えている「統一」とは「わが民族=金日成民族」「民族の領袖=金正日」を不可侵の大前提としている。しかも、今回の「民族大団合宣言」の発表に際しても、北側がそのような「民族・統一」観を撤回したとの報道はない。

 とすると、南側が、そのような「民族・統一」観に同意し受容したと見なすほかない。最大のキーワードを含め字句・文言に対する見解の一致(共通認識)があってこそ、内外の全同胞に対する共同での「宣言」発表や重要な「呼びかけ」が可能なはずだからだ。

 南北の統一問題と関連したこのような根本・基本的な問題に関する疑問について、韓国内民間統一運動団体の結集体とされる南側委員会の責任ある見解を聞きたいと願っている在日同胞は、決して少なくないはずだ。誠実な説明を期待したい。

(2007.7.25 民団新聞)
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