法律相談Q&A

在日同胞の、在日同胞による、在日同胞のための生活者団体


法律相談Q&A 内容

掲載日 : [21-10-27]   照会数 : 8268

韓国籍家族の死亡時の手続…死亡届記載事項証明書を請求

Q

 先日、母が亡くなりました。母は亡くなるまで国籍は韓国でした。私の国籍も韓国です。役所や領事館にどのような手続を取ればよいでしょうか。
 

A

◆日本の役所への手続
 まずは、亡くなった日から7日以内に、お母様の住民票のある市区町村の役所に死亡届を提出する必要があります。死亡届の用紙は葬儀社が準備してくれることもあります。死亡届にはお母様の本名を記載し、あなたが届け出る場合は届出人の欄に本名を記載してください。

 死亡届を提出した後、同じ役所で除かれた住民票(住民票の除票とも呼ばれます)と死亡届記載事項証明書を請求してください。

 除かれた住民票は相続など様々な手続に必要になりますので、余分に取っておいてもよいでしょう。

 死亡届記載事項証明書は、後で述べる領事館での手続に必要です。死亡届記載事項証明書には秘密性の高い情報が記載されているため、死亡届の届出人や亡くなったお母様のご親族しか請求することができません。死亡届を提出したのがあなたであれば、死亡届記載事項証明書もあなたが請求すると手続がスムーズでしょう。

 死亡届記載事項証明書は特別な理由がないと発行してもらえません。領事館に提出すると言えば発行してもらえますが、特に理由がないのに余分に発行してもらうことはできません。また、お亡くなりになってから1か月程度たってしまうと、市区町村の役所では死亡届記載事項証明書を発行してもらえず、法務局で発行してもらうことになるのでご注意ください。

 市区町村の役所に手続に行くときには、あなたの印鑑と身分証明書(在留カード、特別永住者証明書、運転免許証、マイナンバーカードなど)をご持参ください。

 その他、詳しくはお母様の住民票のある市区町村の役所にお尋ねください。

◆韓国領事館への手続
 次に韓国領事館に死亡申告の手続を取る必要があります。市区町村の役所で発行してもらった死亡届記載事項証明書の原本と韓国語の翻訳文が必要です。韓国語の翻訳文については、お近くの民団支部や翻訳業者などにご相談ください。

 その他、お母様の家族関係証明書と基本証明書(どちらも領事館で取れます)各1部、あなたが手続を取る場合はあなたの印鑑と身分証明書(在留カード、特別永住者証明書、パスポートなど)が必要になります。

 詳しくは、駐日韓国大使館のホームページで確認するか、韓国領事館にお尋ねください。

 領事館で死亡申告が済んだら、相続や年金の手続のために領事館でお母様の相続関係の資料を取ることをお勧めします。

 韓国では2008年に戸籍制度が廃止され、代わって家族関係登録制度が始まりました。そのため、お母様の相続関係の資料としては、お母様の出生から戸籍制度が廃止されるまでの除籍謄本(戸籍制度が廃止されましたので「戸籍謄本」ではなくて「除籍謄本」になります。)と、家族関係登録の証明書を取ることになります。

 家族関係登録の証明書としては、①基本証明書②家族関係証明書③婚姻関係証明書④入養関係証明書⑤親養子入養関係証明書の5種類があります。

 銀行によっては、①~⑤のうち、例えば①と②だけでよいという所もあるようですが、5種類全て取ることをお勧めします。
弁護士 金喜朝
 

法律相談Q&A リスト

  [total : 39] ( 1 / 2 )
番号 タイトル カテゴリー
39 亡き父の遺言 内容知りたい…家裁または公証役場、法務局へ 相続
38 アイドル活動と違約金…業務委託でも一般常識で検討を ビジネス
37 財産相続と民事信託…安心して家族に財産管理 相続
36 残業代・未払賃金の請求…管理責任者とは認められない場合も ビジネス
35 無断駐車された場合…所有者に自主的に撤去してもらう 不動産
34 「黒い雨訴訟」と被爆者健康手帳…原告以外でも交付申請可能 生活情報
33 交通事故の損害賠償…多岐にわたる賠償額の目安 生活情報
32 離婚と養育費…期間は子が自立するまで 結婚
31 実母と異なる戸籍記載…「親子関係存否確認」の訴えを 相続
30 韓国籍家族の死亡時の手続…死亡届記載事項証明書を請求 その他
29 この部屋、事故物件?…自然死などは告知義務なし 不動産
28 日本の公務員、韓国籍では…「権力的」公務員には制限 国籍
27 国籍が違う夫婦の離婚…どちらの法に拠るか注意を 結婚
26 売掛金回収…仮差押えは周到に準備 ビジネス
25 隣家の木の枝越境してきた…勝手に枝を切れません 生活情報
24 性犯罪被害と匿名性…不安解く手立て様々に 生活情報
23 コロナ理由の休業とアルバイトの補償…正社員と同等に ビジネス
22 コロナ禍の従業員の解雇…4つの要件満たす必要 ビジネス
21 2重国籍の選択…成人になった時の意思に 国籍
20 突然の賃貸解約通知…「正当事由」あるかの争いに 不動産
19 主権免除について…「絶対」から「制限免除」へ ビジネス
18 韓国保有財産から借金の回収方法は…韓国の裁判所に提訴 生活情報
17 賃貸物件修繕と改正民法の関係…貸借人の権利が明文化 不動産
16 受遺者が先に死去...「予備的遺言」の活用を 相続
15 単純承認と限定承認 …財産管理人選任と清算手続きを 相続
14 韓国に相続人、遺産分割は …家裁に調停申し立ても 相続
13 不倫と離婚…婚姻費用の請求が可能 結婚
12 相続登記 遺言書の有無で大きな差 相続
11 残業代の請求…証拠の確保が重要 ビジネス
10 店舗賃料の減額請求…まず「民事調停」申し立て ビジネス
9 簡易裁判所で少額訴訟 貸した10万円 返してもらう 財産
8 死後認知、速やかに訴訟提起を 相続
7 相続人が不明な財産…所有権を「時効」により取得 相続
6 遺言のメリット…日本法での相続が可能に 相続
5 韓日国際結婚と姓名 選択肢は多数…家族で相談を 結婚
〒106-8585 東京都港区南麻布1-7-32
TEL : 03-3454 -4901 ~ 8  FAX : 03-3454-4614
© Copyright 2018 MINDAN. All Rights Reserved