生活相談Q&A

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生活相談Q&A 内容

掲載日 : [22-09-27]   照会数 : 745

老後の財産管理について


Q:老後の財産管理について

 私は韓国籍で現在独身、両親も子供もいません。また、親族との付き合いも殆どありません。歳をとって判断能力の低下により財産の管理ができなくなり、老後の生活をまともに送れるかがとても心配です。老後の生活に備え、特に財産の管理や種々の法的な手続きなどを無事に済ませるために、現段階で準備できることは何かあるでしょうか。


A:老後の財産管理に備えるものとして次の1.2.3の方法が考えられます。


1.任意後見や任意代理制度の利用
 判断能力が将来不十分になった時を想定し、本人に代わり財産管理や各種契約の締結といった事務的な支援をすることができる公的な制度として「任意後見」があります。

 任意後見契約とは、委任者(ご本人)自らが選んだ受任者(任意後見受任者)との間で交わす契約で、必ず公正証書によって締結しなければなりません。この任意後見契約では、委任できる範囲は自由に決めることができ、預貯金・株式の管理、生活費の送金、介護サービスの契約、不動産の管理や処分等広範囲に法律行為を委任することができます。

 判断能力の低下が見られなくても、本人が身体面で不安を抱え各種の契約や手続がうまくできない場合は、信頼できる人(親族や専門職等)と任意代理契約を交わし日常の諸手続を委せることもできます。

 任意後見契約の効力は、ご本人の判断能力が低下した場合に、裁判所に任意後見人等が任意後見監督人の選任申立てをし、任意後見監督人が選任されて初めて生じます(契約で定められた任意後見人が任意後見監督人の監督の下に、契約で定められた特定の法律行為を本人に代わって行うことができるようになります)。

 この手続を請求できるのは、委任者本人やその配偶者、4親等内の親族又は任意後見受任者です。本人以外の方の請求により任意後見監督人選任の審判をするには、本人の同意を得る必要があります(ただし,本人が意思表示できないときは不要です)。

2.法定後見制度の利用
 判断能力の低下に気づいたときは、上記任意後見・任意代理契約の他に「法定後見」制度を利用できます。法定後見には成年後見・保佐・補助の三類型があり、本人の判断能力の段階に応じて、本人を含む一定の者が家庭裁判所に申立をし、裁判所が後見人等(成年後見人・保佐人・補助人)を選任することによって開始されます。

 申立の類型により後見人等の代理権の範囲が定まりますが、成年後見人は本人に代わって一番広範囲な法律行為をすることができます。
日本に在住する韓国国籍者でも、日本の成年後見制度を利用することができます。本人の住所地を管轄する家庭裁判所に後見等の申立てをする必要があります。必要書類等は裁判所や司法書士・弁護士等にご相談してみて下さい。

3.民事信託の利用
 預貯金や不動産をある程度保有している方は、判断能力が衰える前に民事信託を活用する方法もあります。

 民事信託の当事者は委託者・受益者・受託者の三者です。本人が委託者兼受益者となり、気心の知れたお友達や親族等を受託者とするのが、民事信託です。少々面倒かと思われるかも知れませんが、本人の希望を入れてかなり自由な契約プランの作成が可能なのが民事信託の特徴です。金銭信託等通常の商事信託では信託銀行や信託会社は不動産の管理まで視野に入れていない場合が殆どです。

 この様に商事信託では不動産を保有している方の希望に添えない場合でも、民事信託では対応が可能です。

 民事信託は契約ですので、依頼者にとってかなり自由な制度設計が可能な反面、家族や親族に適当な受託者となる人を見いだせない場合がネックとなっていました。2022年10月開業(管理型信託業登録済)のふくし信託株式会社は、適当な受託者がいない場合を想定して、司法書士が中心になって設立した信託会社です。

 民事信託に関しては、様々な情報がネット上に溢れており、いい加減な団体もあります。正に玉石混淆状態ですが、良質な民事信託の担い手として「民事信託士」という資格者がおります。司法書士・弁護士の中で一般社団法人民事信託推進センタ-が実施する検定試験に合格し登録した者のみが民事信託士を称することができます。

 法令上財産管理業務ができる資格者は、現在司法書士・弁護士の二士業のみで、民事信託士は同社のHPから探し出すことができます。
 

生活相談Q&A リスト

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番号 タイトル カテゴリー
32 韓国に訴訟費用の支援などを行う公的機関はありますか? 訴訟
31 海外旅行中の怪我は帰国後の治療費も補償されますか? 訴訟
30 会社から退職を迫られたら辞めなくてはならない? 訴訟
29 相続手続に必要な書類について 相続
28 相続における準拠法と土地の相続について 相続
27 重婚における相続について 相続
26 韓国で相続した財産の相続税などについて 相続
25 事実婚における相続について 相続
24 国法と日本法の相続の違いについて 相続
23 別居中の相手と離婚したいが住所がわからない 離婚
22 離婚後の生活費や養育費について 離婚
21 日本に住む韓国国籍同士の離婚について 離婚
20 婚姻届の提出先について 結婚
19 遺言書の作成について その他
18 会社名義の部屋に住んでいた社員が家賃を滞納したままいなくなった。支払い義務は? 不動産
17 韓国にある土地の名義と税金について 不動産
16 日本で生活しながら韓国で事業展開した場合の納税は? その他
15 国外財産調書を提出しなかった場合の罰則は? その他
14 国外での利益や所得は、日本でも申告が必要? 不動産
13 韓国人が日本で不動産を購入し、運用する場合の留意点は? 不動産
12 韓国と日本に財産がある場合の相続税について 相続
11 日本での老齢年金受け取りについて その他
10 親族が亡くなった後の手続きについて その他
9 老後の財産管理について 財産
8 韓国本社の代表と日本支社の代表は兼任できますか? ビジネス
7 韓国人が日本で会社を設立する際の手続きについて ビジネス
6 韓国の戸籍・家族関係登録制度について 国籍
5 在日韓国人の相続税の申告について 相続
4 韓国に出生届がない方の相続について 相続
3 準拠法と国際裁判管轄の意味と違い その他
2 日本在住の韓国国籍者の遺言について 相続
1 「みんだん生活相談センターは希望の灯台」感謝の手紙届く 結婚
〒106-0047 東京都港区南麻布1-7-32
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