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掲載日 : [23-02-01]   照会数 : 917

重婚における相続について


Q:重婚における相続について


 父がなくなり、財産相続の問題で不測の事態に直面し、頭をかかえています。実は、父には日本にいる私たち家族以外に、母と結婚する前から韓国にも奥さんと子どもがいたようなのです。父が残した財産はすべて日本にありますが、私と母は父の財産の相続人になれるのでしょうか。
 

A:ご質問のような相続の問題については、被相続人つまりお父様の国籍に連なる韓国法が適用されます。本事例においては、お父様の日本における配偶者、つまりあなたのお母様と結婚される前に、韓国においても配偶者と子どもがいるとのことですので、重婚をキーワードに説明を進めていきます。重婚とは、前の婚姻関係が残っているのに、重ねて後の婚姻関係が成立してしまうことを言います。ある一方と婚姻関係が成立し、その婚姻について離婚が成立していないのに、他方との婚姻が成立すると、重婚になります。

 お父様の日韓両国における婚姻が重婚状態にある場合ですが、重婚は婚姻の取消事由(韓国民法816条1項)とされています。

 そして、当事者、その配偶者、直系血族、四親等以内の傍系血族、検事が取消権者として後婚を取り消すことができる旨が定められています(韓国民法818条前段)ので、韓国の妻と子らは、後婚となるお父様とお母様との婚姻について、婚姻の取消請求を行うことができます。

 ただし、韓国大審院判例1996年12月23日判決は、「民法第824条は、“婚姻の取消の効力は既往に遡及しない”と規定しているにすぎず、財産相続等に関し遡及効を認める別途の規定がないところ、婚姻中の夫婦の一方が死亡し、相手方が配偶者として亡人の財産の相続を受けた後にその婚姻が取り消されたという事情のみで、その前になされた相続関係が遡及して無効と言ったり、または、その相続財産が法律上原因なく取得したものとみることはできない」と判示し、本来の配偶者の相続分を2分の1ずつ相続させています。

 また、上記のとおり婚姻の取消の効力は既往に遡及しない(韓国民法824条)ため、重婚における後婚において出生した子も、婚姻中の子となりますので、あなたも相続人となります。

 したがって、本事例は、あなたやあなたのお母様のほかに韓国の配偶者と子どもも相続人として手続きを進めることになります。
 

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