掲載日 : [23-06-05] 照会数 : 4207
日本国籍に帰化をしたが、韓国国籍に戻せる?
Q:私の家族は私が子どもの頃、両親の意向により一家で日本国籍に帰化しました。すでに成人した私ですが、近年ある韓国人女性と出会い、今ではお互いに結婚を意識するようになりました。同時に、韓国籍を取り戻したいと強く望むようになったのですが、帰化した者が再度、韓国に国籍を戻すことはできるのでしょうか? また、国籍を戻すことができる場合、手続きはどうすればいいのでしょう?
A:大韓民国法務部長官(日本の法務大臣に相当)の国籍回復許可を得られれば、ふたたび大韓民国の国籍を取得することができます。この「国籍回復」という制度は、耳慣れないものかもしれませんが、帰化制度とは似て非なるものです。
「大韓民国の国籍を取得した事実がない外国人」が大韓民国の国籍を取得する場合が「帰化」であり、「大韓民国の国民であった外国人」が大韓民国の国籍を取得する場合が「国籍回復」とされています。
ご質問では、かつて韓国籍であったとのことですので、「大韓民国の国民であった外国人」ということになり、「国籍回復」の対象者ということになります。
帰化制度とは別に国籍回復制度を設けている理由については、国籍を回復(再取得)しようとする韓国系外国人を、いわば純粋な外国人よりも相対的に優遇し、国籍取得手続を簡素化することで、血縁的なつながりに配慮して国籍取得の便宜を図るためであるとされています。
もっとも、国籍回復許可申請を行えば無条件に許可が出るかというと、そうではありません。①国家または社会に危害を及ぼした事実がある者、②品行が端正でない者、③兵役を忌避する目的で大韓民国の国籍を喪失または離脱した者、④国家安全保障・秩序維持または公共福利のために法務部長官が国籍回復を許可することが適当でないと認める者のうち、いずれかひとつに該当する者については、法務部長官は国籍回復を許可しないこととされています。
具体的な申請手続としては、国籍回復許可申請書などの必要書類を法務部長官に提出することになりますが、管轄在外公館を通じて提出することも可能です。書類が受理されると書面審査や身元照会などが行われ、許可の可否が判断されることになります。この際、帰化の場合とは異なり、特別な事情がない限り面接審査は行われません。
審査の結果、国籍回復許可を得た者は、法務部長官がその許可を出したときに、大韓民国の国籍を取得することになります。