生活相談Q&A

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掲載日 : [23-06-05]   照会数 : 3096

相続登記における必要書類について


 Q:相続登記における家族関係登録事項別証明書の使い分けについて
 
 先日、1940年生まれの母が亡くなりました。相続人は父と子2名(実子1名、養子1名)で関係者全員韓国籍です。パスポート申請や相続手続きに家族関係証明書等が要求されますが、今回の相続の場合、どのような証明書が必要になるのか具体的に教えて下さい。

 

 A:韓国では2008年1月1日から旧戸籍法に変えて家族関係登録法が施行されました。

 家族関係登録法では、身分関係を証明する登載証明書は5種類の事項別証明書(①家族関係証明書、②基本証明書、③婚姻関係証明書、④養子縁組(入養)証明書、⑤特別養子縁組(親養子)証明書)に分かれました。

 これは、個人のプライバシーに配慮したからで、この結果、使用目的や用途にあわせた事項別証明書の取得が可能になったということです。

 従って、多くの場合、上記5種類全部の証明書を取得する必要はなく、その何れか又は組み合わせによる証明書を取得することで、多くの目的を達することができるようになりました。

 相続手続きで必要となる事項別証明書について、各証明書でどのような身分関係が確認できるのかについて説明します。事案ごとに必要な身分関係が記載された証明書を取得することになります。

 ①家族関係証明書:被相続人(被代襲者を含む)の最近親直系尊・卑属(父母子女)を確認します。養子や特別養子も親の家族関係証明書にはその区別なく単に「子女」と記載されます。

 ②基本証明書:基本証明書は、本人についての最も基本的な身分事項を記載しており、日本の戸籍抄本のような役割を果たします。

 但し、日本の戸籍抄本と異なり、韓国の基本証明書は、申請者が要求しても複数人の家族の身分事項は記載されません。

 被相続人(被代襲者を含む)や相続人等の出生や死亡の事実等、特定登録事項の変更履歴を確認することができます。

 ③婚姻関係証明書:代襲相続中に、特に、義理の父母の財産を嫁が相続する場合、妻の父母の財産を婿が相続する場合、更に、嫁・婿・弟嫁等が再婚した場合、親族関係が断絶しているかどうかを確認するために必要になります。従って、本件の場合には不要です。 

 ④養子縁組(入養)証明書:直系卑属が被相続人である場合、2010年6月30日より実父母が養子縁組証明書だけに記載されることになったことから、被相続人の実父母の確認のために必要になります。一般養子縁組は特別養子縁組と異なり親族・相続関係が断絶されないためです。相続では実子も養子も等しく相続人になることから、相続人が配偶者と子だけの本件の場合、いわゆる相続証明書としては不要だということになります。

 ⑤特別養子縁組証明書:特別養子縁組間の子女も実子同様相続人となるので、これを確認するためです。

 被相続人(被代襲者を含む)の特別養子縁組証明書は、相続関係の確認のために必要となりますが、①で説明したとおり、被相続人(被代襲者を含む)の家族関係証明書には実子も特別養子も「子女」と記載されることから、通常の相続手続きでは要求されません。

 相続登記手続き上、生存中の相続人の特別養子縁組証明書はもとより不要で、韓国では登記官の補正命令があっても発給してもらえません。

●結論●
 被相続人が韓国籍の場合、日本の国際私法(法の適用に関する通則法)では、「相続は被相続人の本国法による」と明定されております。

 韓国国際私法では相続の場合日本法に反致する規定がないので、本件の場合は韓国民法が適用されます。

 韓国民法でも本件のような場合は、相続分に違いが有るものの配偶者も子も相続人になります。

 従って、相続人が配偶者と子(養子を含む)だけの本件のような通常の相続の場合、日本の相続手続き上、相続関係証明書としては、被相続人の生まれたときから死亡に至るまでの除籍謄本と①家族関係証明書・②基本証明書及び相続人の①家族関係証明書・②基本証明書並びに各翻訳文のみで足りることがおわかりかと思います。

 希に、法務局から5種類全部の証明書の添付を求められることがありますが、上記のような説明をされると理解してもらえると思います。

 但し、日本国籍取得(いわゆる帰化)の場合は、日本の戸籍簿を作成するため、5種類全部の証明書が要求されます。
 

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