
2026年、丙午年の新春を迎えるにあたり、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
本年は、在日本大韓民国民団の創団80周年という、大きな節目を迎える意義深い年であります。 在日同胞の近現代の歴史は、暗黒の日帝植民地支配の時代から始まります。1945年、祖国は解放・光復を迎え、同年10月、在日同胞は在日本朝鮮人連盟(朝連)を結成しました。しかし、祖国解放の喜びも束の間、祖国は南北分断の状態に置かれ、結成された朝連も、一夜にして暴力革命を目指す勢力によって支配されてしまいました。 自由と民主主義、平和を希求する在日同胞は、朝連が一党一派によって暴力的に支配されたことに強く抗議し決起しました。
そして1946年10月3日、全国の在日同胞の諸団体が結集し民団を創団したのであります。
現在の大韓民国政府が樹立されるのは、その2年後の1948年。
以来、民団は祖国大韓民国の発展、平和統一の実現に向けて歩んでまいりました。そして近年の激動する内外情勢に翻弄されることなく、民団は、これからも大韓民国と共に歩み続けます。
民団の歴史とは、すなわち自由民主主義、平和、そして生活・人権を守り抜こうとする在日同胞の不断の闘いの歴史であり、その精神こそが、今日に至るまで民団を支え続ける原動力となっているのであります。
創団80周年を契機に新たなる飛躍を期する
創団以来、民団は、祖国大韓民国の発展、在日同胞の生活安定と権益擁護、世界平和、国際親善を基軸に据え、民族的矜持を守り、韓日友好親善の架け橋としての役割を果たすべく、時代の要請に応えながら歩みを重ねてまいりました。
80年という長きにわたる今日までの歩みは、諸先輩の並々ならぬ努力と献身の賜物であり、ここに改めて深甚なる敬意と感謝を表する次第であります。
馬が大地を力強く駆け抜けるように、民団もまた、数多くの困難を乗り越えながら前進を続けてきました。創団80周年を迎えた今、私たちに求められているのは、これまでの歴史に誇りを持つと同時に、民団が何のために存在する組織であるのか、その原点を改めて見つめ直すことであります。
民団の原点とは、自由民主主義、平和、人権擁護の基本理念のもと、在日同胞一人ひとりに寄り添い、声に耳を傾け、共に支え合う組織であるという点にほかなりません。
創団第一次宣言書に「本団は、在留同胞全体をその構成員として包摂し(中略)各団体は、それが誠実にここに参加する意思を表明するときはいつでも包容される」と明記しています。
近年、在日同胞社会は、世代交代の進展や新規定住者、日本籍同胞の増加などにより急激に変化してきています。
だからこそ今、原点に立ち返り、団員の結束を基軸とした組織の活性化を図ることが、何よりも重要であると考えます。 そのために支部・地方本部、傘下団体の活動をより身近で開かれたものとし、次世代の若い世代や新規定住者、日本籍同胞など多様な同胞が、自然に参画できる環境を整えることで、民団本来の力を取り戻していかなければなりません。
本年は、次世代育成と組織基盤の強化、そして多様化する在日同胞相互の連帯意識の向上に取り組んでまいります。
中でも、これまで民団活動に参与の機会が少なかった30代、40代の青壮年層に対しては、新しい視点で、民団への理解を深め、諸活動への参与を促していかなくてはなりません。
80年の歴史は、決して過去の成果として安住するためのものではなく、次の時代へとつなぐための確かな礎であります。伝統を守りつつも変化を恐れず、原点を忘れない活力ある民団づくりを進めることこそが、未来への責任であります。
民団創団の第一次宣言書は、目的の一つに「われわれは国際親善を期する」と示し、本団の綱領にも掲げこれまで活動を拡大して参りました。
それは1919年の2・8独立宣言、己未独立宣言書に記された「東洋の平和」の精神を継承するものでもあります。
民団は、国政はもとより地域住民として日本各地域の地方自治体と信頼のネットワークを築いてまいりました。これは一朝一夕では成し遂げられるものではありません。
これは在日同胞の先輩の方々が、韓日の平和と地域の共存共栄のために献身的に尽力してこられた賜物でもあります。
民団が80年もの長きにわたり担ってきた草の根の韓日両国の信頼と協力をつなぐ役割を、時代に即した形で発展させ、対話と交流を通じた相互理解の深化に積極的に貢献していく所存です。
自国第一主義が拡大 毅然たる姿勢で対応
また今、世界は自国第一主義が広がり緊張が高まり紛争も頻発しています。
日本国内でも例外ではなく、昨今、外国人に対する排斥、規制などの黒い影が忍び寄ってきており、私たちも毅然たる姿勢で対応していかなくてはなりません。
だからこそ本団の「私たちは世界平和と国際親善を期する」との綱領を胸に、地域、各分野での韓日友好親善を、皆さま共々、決意も新たに拡大してまいりましょう。
結びに、80周年という節目の年が、民団組織の新たな活性化と飛躍の起点となり、団員相互の絆をより一層深める一年となることを心より願っております。
2026年が団員の皆さま、そしてご家族の皆さまにとりまして健康と幸せ、そして希望に満ちた一年となりますことを祈念申し上げ、新年のご挨拶といたします。
民団中央本部団長
金 利 中