掲載日 : [18-06-27] 照会数 : 10841
ヘイトスピーチ対策法の実効化へモデル条例案…東京弁護士会
弁護士会としては最大規模の法律専門家集団、東京弁護士会が7日、人種差別撤廃条例のモデル案をとりまとめ、その内容を説明する意見書とともに公表した。この条例案と意見書は同弁護士会内部の正式な手続きを経て、圧倒的多数で支持された。各地の地方公共団体で進行中の条例案作成を促進し、実効性のある内容に最低限のラインとして活用されることが期待されている。
モデル案は理念的な国のヘイトスピーチ対策法を実効化し、人種などを理由とする差別の撤廃を実現するのが目的。以下のような具体的な差別禁止規定を設けた。
①特定の者に対する差別的取扱い
②特定の者に対する差別的言動
③不特定の者に対する差別的言動(攻撃型)
④不特定の者に対する不当な差別的言動(情報適示型)の4項目。
違反したと判断されるときは段階的に①措置②警告③命令④過料(行政罰)からなる4つの制裁規定を課すことができるとしている。
ただし、濫用を防ぐため、差別的行為か否かについて各段階で人種差別の撤廃に関する専門家からなる第三者機関(審議会)による審査を受けることを求めた。
インターネット上に流布される「措置」の対象に該当する匿名のヘイトスピーチについては、加害者を特定するため、首長が発信者情報の開示を求めることができる根拠規定を置いた。
このほか、「正当な理由」が認められれば、第三者機関の意見を聞いたうえで公的施設の利用を制限できるとしている。
(2018.06.27 民団新聞)