掲載日 : [22-04-25] 照会数 : 6604
民団地方委・総会で方針…韓日友好、次世代育成柱に
[ 活発な質疑応答が交わされた民団神奈川本部の地方委員会 ]
[ 大阪本部の地方委員会 ]
[ 兵庫本部は2日に開催 ]
民団活動の1年間を振り返り、新年度方針を策定する地方委員会・総会が一部地方を除いてほぼ終わった。コロナ禍は依然として続いているが、感染防止に最大限の配慮をしながら、地道に韓日友好と次世代育成という課題に取り組んでいくことが明らかになった。
地方委員会
神奈川(李順載団長、23日=第62回地方委) 支部の安定的な運営および人材・財源確保のために「特別委員会」の設置を決めた。李団長は「特別委員会」の提案をもとに人材・財政など支部運営の根幹部分の安定化を図りながら、徐々に支部組織活性化を図っていくと抱負を述べた。懸案となっている鶴見支部の占有問題は「対話重視」を前提に、解決に向けて取り組んでいく。
報告によれば、県本部財政をもとに湘南中部支部と湘南西部支部の会館修繕を実行。また、県内各支部への人件費補助も行った。
西東京(崔貫一団長、10日=第70回地方委) 崔団長は団勢の拡大による民団西東京の活性化と後継者養成に取り組む考えを明らかにした。韓日友好事業の促進にも継続して取り組む。
昨年度はオリニ林間学校、10月マダン、敬老長寿会などを実施した。
静岡(尹憲祚団長、10日=第67回地方委) 活動方針は①生活相談センターの充実化②次世代育成へ言語、歴史・文化を学ぶ場を設ける③「朝鮮通信使しぞーか講座」の継続。尹団長は「コロナ禍でも感染対策を講じ、規模を縮小しながら事業推進に努めてきた」と1年間を振り返った。
大阪(李元徹団長、23日=第69回地方委) 李団長は「人材の確保と財政の拡充に努めていく。団員が関心ある行事、セミナーも開催していきたい」とあいさつした。
企画分科委員会からは「日本社会への民団活動の積極的な広報」や「韓国の選挙や震災の情報などいち早く知らせるシステムの開発」などが必要という意見が出た。
活動方針は指導者ワークショップやリーダー育成スクールの実施、多文化共生フェスタの開催(予定)、同胞家庭への訪問・団員の拡充などが承認された。呂健二民団中央本部団長、駐大阪総領事館から禹大植領事が参席した。
京都(金政弘団長、2日=第72回地方委) 2023年12月を目指して民団本部会館の建て替えを推進する。金団長は「現会館は60年前、先輩たちが建ててくれた大切な財産。財源構築については積極的に考え、民団本・支部が一丸となって取り組みたい」と抱負を述べた。
さらに、地域の企業や国会議員も参加する事業としてすっかり定着した「子ども食堂」の取り組みはこれからも継続していく。団員サービスも積極的に進め、次世代につないでいく。
兵庫(金泰煥団長、2日=第64回地方委) 今年度は中高校生対象の宝塚K‐POP教室や在日同胞学生の進学支援塾などの事業を準備・開始していく。このほか、防災体制の確立へ緊急連絡体制を強化、韓日民間交流を促進し、韓国訪問事業の成功をめざす。
滋賀(金東凡団長、24日=第63回地方委) 今年度、育英会館の保全と有効的な活用のため修繕を行う。また、団員から寄付を募ることで育英会館存続に活かしていく。なお、21年度は10月マダンとして国際文化交流会を行い、地域住民を巻き込んで300人を超す事業を開催した。今年度も継続して開催していく予定。
地方総会
山梨(李正炯団長、16日=第27回総会) 報告によれば保険事業で財政安定化に努めているほか、行事ごとに会費や賛助金を募り、収入に上乗せしている。李団長は「財政的な厳しさは続いているが何とか踏ん張ってやっている」と述べた。
主だった方針は①日本籍同胞の人材発掘、新規定住者(貴金属協会)との協働事業の具体化②民団山梨「在日講座」の継続開催③「山梨コリア祭」を拡大し、韓日友好の象徴として定着させる④財政の健全化への努力
鳥取(黄龍也団長、23日=第6回総会) 黄団長はコロナ禍にあっての1年間の協力賛助に感謝し、さらなる尽力を要請した。1年間の総括は承認され、年初の計画予算案も共有した。
新年度からは韓国文化理解の「オリニノリト」行事を開始し、次世代育成の種まきとする。同行事は国籍に関係なく韓国の文化に興味と関心のあるこどもたちを集め、ハングルや民俗ノリに親しんでもらうというもの。5月21日からスタート。年間10回を予定している。
島根(金吾男団長、17日=第7回総会) 活動方針の主なものは①新規定住者との連携活動②高齢者訪問活動③韓国語講座など。昨年度は計110の家庭を訪問したことが報告された。このほか、料理講座開催、日韓親善協会との映画上映会開催、オリニハングル講座の運営など。
佐賀(朴弘正団長、3日=第4回総会) 活動報告によれば、韓国伝統文化交流行事「ふれあい交流マダン」の開催継続で地域社会における韓人社会の存在感を高めた。また、創団75周年記念「在日歴史写真展」も成功裡に終えた。
今年度は武寧王生誕の地と言い伝えられる「記念碑」(唐津市鎮西町の沖合)や「王仁博士顕彰公園」(神埼市)といった韓半島ゆかりの史跡に民団としても関わり、広く周知していく方針だ。
朴団長は「団勢拡大を目指して、非民団団体との交流を促進していく」との考えを明らかにした。
宮崎(鄭勝美団長、20日=第29回総会) 鄭団長は国籍にかかわらず、同胞宅への家庭訪問を積極的に行うと意欲的に述べた。活動方針では日中韓の文字の研究を通じた文化人、知識人との交流に取り組む。このほか、韓国料理教室や韓日子ども交流会などを通じた韓日交流などが計画されている。
鹿児島(朴在賢団長、10日=第29回総会) 新年度もソンピョンづくり、韓国料理大会、キムジャン文化体験、韓国語スピーチ大会といった独自事業を継続していくことになった。
沖縄(南珍成団長、9日=第16回総会) 報告によればおきなわSDGs(持続可能な目標)パートナーシップに登録し、民団と関連のある①貧困収束②質の高い教育③エネルギーをみんなに④人や国家間の不平等をなくす⑤平和と公正をすべての人にを実践している。新年度も継続して取り組む。このほか、オリニサマーキャンプ、高齢者慰問活動、第2次世界大戦時に犠牲となった同胞慰霊事業なども。また、ラーメンなどの販売で約60万円ほどの収益をあげたことが報告された。
香川(石隆弘団長、10日=第7回総会) 活動方針によれば、引き続き団員宅への訪問活動に取り組む。昨年10月に実施した中央との合同の取り組みで重要性を再認識したという。生活相談センターにも注力していく。後継者育成は中央の各種研修会を活用していくこととしている。
昨年は婦人会がキムチ漬け活動を行った。