さわやか夏向き料理 今回『飲食知味方』の中からご紹介するのは「オイファチェ」という、きゅうりを使った夏にぴったりのさわやかな料理です。 千切りにしたきゅうりに片栗粉をまぶして茹で、冷たい水でしめてから、さらに片栗粉をまぶして茹でることを繰り返すと透明な衣がついてつるつるとした麺...
児童文学の変革期に作家・詩人らと出会い 1990年はわたしの人生にとって大きな転機の年だった。16年間勤めた中学校教師の職を辞し韓国留学に飛びだしたからだ。 教員時代は毎夏10日ほどの韓国一人旅をしていた。その道中で児童文学作家の朴洪根先生と巡りあった。朴洪根先生をとおして児童...
海を埋めたて1000人宿泊 朝鮮通信使の壱岐での寄港地は勝本港であった。通信使と対馬藩を合わせて1000人以上が、神皇寺(じんこうじ、現・阿弥陀堂)に宿泊した。広大な敷地を確保するため、周辺の海を埋め立てたと聞く。勝本浦は三韓出兵(さんかんせいばつ)時代(神功皇后=じんぐうこう...
相互理解記した「交隣堤醒」 近江に生まれた雨森芳洲(1668~1755年)は22歳のとき、儒学者・木下順庵の薦めで、対馬藩に勤めた。勉学さえできれば、どんなに遠くても良いという考えだった。対馬では藩主に学問を教えたり、朝鮮との外交の仕事をしていた。1703年から芳洲は釜山に渡り朝鮮語を学んだ。そしてこの...
具が香ばしい水餃子「スキョエポッ」 『飲食知味方』の中に麺類が18種類あります。今回のスキョエポッもその1つで、現代の水餃子とも言えます。スキョエポッの「ス」は水、「キョエ」は餃子という意味です。餃子と言っても肉は入っていませんが、とても味わい深い料理です。 調理方法の中に「皮...
籠に花摘む乙女たち…重なるいにしえの世界 NHKの朝の連続ドラマ「花子とアン」で、主人公花子の親友・葉山蓮子のモデルとなったのは柳原白蓮である。明治時代の伯爵家に生まれ、最初の結婚は10代。25歳で九州の炭坑王、伊藤伝右衛門と再婚する。白蓮が7歳年下の宮崎龍介と駆け落ちするまで、10年間暮らした...
夏はおいしさ倍増!二日酔いの妙薬? 春の南北首脳会談で一躍有名になった「平壌冷麺」。朝鮮半島で冷麺の本場といえば、平壌と咸鏡南道咸興で、韓国の冷麺専門店では、店名やメニューに咸興冷麺の文字を掲げるところも多い。 私が活動の拠点としている釜山には、冷麺に似た食べ物で「ミルミョン」...
「ピンジャポッ」と聞いてどんなお料理をイメージしますか。これは朝鮮朝時代の緑豆のチヂミで、生地の間に甘いあんが入っています。 現代の緑豆のチヂミといえば、韓国通なら東大門市場の屋台で売られている緑豆と野菜を混ぜ、たっぷりの油で焼く物を思い浮かべると思います。飲食知味方の中には、今とはだいぶ異なる料理があります。たとえばチャプ...
釜山の龍頭山公園には、草梁(チョリャン)倭館(1678~1876)記念碑がある。資料では、この広大な敷地(約10万坪)に400人以上の対馬人がいて、外交や貿易を司っていたという。 対馬は山がちで農地が少なく、米の多くを朝鮮に頼るしかなかった。対馬藩は銀を朝鮮に輸出し、先方からは江戸や大坂の富裕層向けの西陣織用として生糸を仕入...