朝起きると、窓の向こうに青い海が広がっていた。慶尚南道統営市、かつて忠武市と呼ばれた港町だ。いずれもある武将の記憶をその名に留める。忠武公李舜臣。豊臣秀吉が起こした壬辰倭乱の際、水軍の将として秀吉軍を苦しめ、国を救った英雄である。 名将の輝ける戦歴の中でも大勝利として語り継がれているのが、1592年7月の閑山島海戦である。釜山上陸から3カ月...
中国朝鮮族の故地 延辺自治州を訪ねて代継ぎ自負心育む…漢族の進出で危機感も発祥の地・龍井 朝鮮族同胞の民族意識は強烈だ。私が会った同胞たちは40歳から60歳前後の4世や5世の飲食店やホテルの女性オーナーたちだが、誰もが朝鮮族として生...
白日夢をさまよう気分だった。南浦洞、光復洞、新昌洞、大庁洞と、土地に眠る記憶の糸を求めてやみくもに歩く。かつてそこに存在したことは確実ながら、屋敷跡や石垣など痕跡となるものは一向に見いだせない。やがて本丸へと中央突破を図るように、南浦洞からエスカレーター歩道で一気に上った。頂きには龍頭山公園がある。李舜臣将軍の像がたち、釜山タワーがそびえる観光名所だ...
中国朝鮮族の故地 延辺自治州を訪ねて移住の歴史韓日併合後に急増…原野を穀倉地帯に開墾どん底の草創期 延辺朝鮮族自治州は、中国内少数民族の中で最も発展したモデルと評価され、地域同胞の生活...
地下鉄駅近くのロータリーからバスに乗り松林を上ること10分、寺の入り口に着いた。釜山東莢の名刹、金井山梵魚寺。山門の一柱門、その先の天王門をくぐり奥へ進むにつれ、三方に山が迫り深い緑に包まれる。つい先ほどまで潮の香りが漂う海辺の町にいたことが嘘のようだ。 梵魚寺という名は、もともと天上界に住む梵天という魚が金色の井戸に降りてきて泳いだと...