【ソウル】最大野党の民主統合党は16日、12月の第18代大統領選挙の党公認候補に文在寅氏(党常任顧問、元盧武鉉大統領秘書室長)を選出した。同日、京畿道・高陽体育館で開かれたソウル巡回党内選挙で、文氏が公認大統領候補に選出されたと宣言した。
文候補は、先月25日の済州を皮切りに3週間にわたり13地域を巡回して実施されたモバイル投票と現場投票、投票所投票の得票数を合算した結果、累積得票率56・5%(34万7183票)を獲得した。他の候補の得票率は孫鶴圭常任顧問が22・2%(13万6205票)で、金斗官・前慶尚南道知事14・3%(8万7842票)、丁世均常任顧問7・0%(4万3027票)だった。
候補受諾演説で文候補は「金大中、盧武鉉二人の前職大統領の献身と犠牲を土台にして変化の新しい時代を開く。政権・政治・時代交代を必ず成し遂げる」と強調。「『不通と独善』のリーダーシップは旧時代の遺産で、権威主義時代の歴史意識では新しい時代を開くことはできない。『協力と共生』が今日の時代精神であり、『疎通と和合』のリーダーシップ、『共感と連帯』のリーダーシップを発揮する」と主張した。
文候補は「李明博政府5年が時代を過去に戻した。今回の大統領選挙で歴史の流れを再び変えなければならない」と主張、そのための5大課題として「雇用革命」「福祉国家」「経済民主化」「新しい政治」「平和と共存」を提示した。また、「責任総理制度を通じて帝王的大統領の権力を分散して政党責任政治を実現する。政策は与党が主導する」と強調した。
さらに南北問題と関連して、「6・15、10・4宣言の精神に基づき平和と共存の韓半島をつくる」と述べ、「大統領に当選すれば北韓に特使を送って就任時に招請する。任期初年度に南北首脳会談を推進する」と明らかにした。
文候補は同日の記者会見で、野党圏大統領候補一本化について、「政権交代のためには安哲秀ソウル大融合科学技術大学院長との一本化が必要だ」と強調、同時に「民主党を中心とした一本化」が望ましいと表明した。
最大野党の公認候補が選出されたことにより、大統領選挙に向けた与党セヌリ党(朴槿恵候補)と民主党との全面対決も本格化するとみられる。これと共に安哲秀院長が大統領選立候補を表明した場合、野党圏候補一本化論議も始まるものと注目されている。
(2012.9.19 民団新聞)