【ソウル】ベルリンオリンピック(1936年)のマラソン覇者、故孫基禎さんを偲ぶ記念館が14日、孫さんの母校、養正高校の跡地(ソウル市中区、孫基禎スポーツ公園内)に開館した。孫さんの生誕100周年を祝い、国とソウル市、中区が共同で建立した。
映像と、日本語をはじめとする各国語による音声で、孫さんの偉業と足跡をたどれる。記念館を管理する孫基禎記念財団では、「植民地支配期に空腹を忘れるために走り始め、五輪に出場して世界を制覇した人生を、小学生にも分かりやすく構成した」と話す。当時の金メダルや月桂冠、表彰状も展示している。
開館式典には友人代表として民団中央本部の丁海龍常任顧問が出席。金滉植国務総理らとともにテープカットに加わった。明治大学と岩手県国際交流協会からも多数駆けつけた。
遺家族で長男の正寅さん(民団神奈川・横浜支部事務部長)は、「韓日両国の若者が過去の不幸な歴史を正しく認識し、互いに協力しながら明るい未来を築きあえる場になってほしい」とあいさつした。
11月15日には10周忌追悼式を営む。毎週月曜日休館。常設展示室は無料。同記念館(TEL02・364・1936)。
(2012.10.24 民団新聞)