まず、私が勤めている在外同胞財団(韓国・ソウル)に対して簡略に紹介しようと思います。
在外同胞財団は1997年10月、在外同胞財団法によって設立された在外同胞の支援を専門とする機関です。
財団は全世界720万在外同胞の力になって、同胞が居住国で模範的な構成員として民族アイデンティティーを維持して自らの権益と地位を向上させ、力量を結集することができるように教育、文化、調査研究など多様な分野にわたって支援・協力事業などを行っています。
この度、6代目の金慶根理事長は在外同胞支援専門担当業務を遂行するということにおいて、財団職員のグローバル影響力を強化して職員1人ひとりが同胞社会に対する専門性を備えるために、今年から新たに「職員短期職務研修」を始めました。
研修地域は米国・ニューヨーク(ニューヨーク総領事館)と日本・東京(民団中央本部)で、研修者はそれぞれ1カ月間同胞社会を体験して懸案を把握する機会を持つようになりました。
在日史を知る
今回の研修の一環で私は日本の民団中央で11月5日から12月4日まで1カ月間研修を受けました。
民団で一番最初に始めたのは、民団会館内にある在日韓人歴史資料館を訪れ、在日同胞の歴史を勉強することでした。さらに、ちょうど開かれていた民団組織学院の講義を受け、民団の歴史と活動に対する理解を深めました。そうすることで、民団の各行事および業務に参観する時間を持ちながら研修を進行できました。
また、民団だけではなく、最近移住したニューカマーらの生活にも接することができました。ニューカマーと既存の在日同胞の差異点および相互協力できる方案など、自ら悩んで考えることができる時間でした。
研修の間、最近広がった右翼団体の反韓デモは治まっていませんでした。そのような困難の中でも、青年会の「私たちの未来35周年行事」などを通して、在日同胞の民族アイデンティティーを維持し、福祉を増進させるために努力する民団実務者の皆さんを見ながら多くの感動を受けました。
大選投票に感慨
特に、本国の18代大統領選挙を前にして、民団のすべての方が在外選挙制度を意義あらしめようと考え、在日同胞の投票参加のために刻苦の努力をおしまなかった姿は、印象深いものでした。研修を終えて韓国に帰ってきた後、民団の方々を含む在日同胞が在外選挙投票に参加する姿をTVで見ながら、感慨を新たにしました。
1カ月間というのは、在日同胞社会を理解し、把握するには短い時間でしたが、明らかに、たとえ一部分であっても多くのことを学び感じることのできる時間でありました。この研修によって今後、財団業務の適用に大きな助けになるのはもちろん、個人的にも大きく成長する機会であったと考えます。
他国で、母国の発展と同胞社会の繁栄のために、黙々と仕事をする民団皆さんの健勝を祈ります。
(2012.12.21 民団新聞)