大韓帝国最後の皇女、徳恵翁主(1912〜89年)が、婚礼の品として持参した装飾品や衣類、鏡台、玩具などの遺品を紹介する初の「徳恵翁主特別展」が、2013年1月27日まで、ソウル市の国立古宮博物館で開かれている。 展示されている品々は、東京の文化学院服飾博物館と九州国立博物館の所蔵品。銀製の米びつや釜のミニチュアは、李王職(日本による植民地時代に王室関連の事務を担当した機関)で作られた金属工芸品で、徳恵翁主の婚家となった対馬の宗家に送った婚礼の品。
また、和信デパートの前進の和信商会が作った銀製の神仙炉(鉢の形をした食器の一種)、昌新商会が作った銀製の盒(ごう。蓋付きの食器の一種)も展示されている。
徳恵翁主は13歳のときに東京の学習院に留学し、19歳で対馬の宗武志伯爵と政略結婚した。
だが、兄の純宗と実母の梁氏が相次いで世を去った後、神経衰弱で結婚から1年も経たないうちに統合失調症の診断を受けた。徳恵翁主は32年に娘を出産したが、その直後から精神病院で過ごし、55年に離婚。62年、韓国に戻り昌徳宮内の楽善斎で暮らし、89年に他界した。
(2012.12.21 民団新聞)