山陰の郷土史研究家で、独島を日本固有の領土とした日本外務省の主張に異議を唱えてきた内藤正中さん(島根大学名誉教授)が、昨年12月16日に死去していたことがこのほどわかった。83歳。岡山県生まれ。神奈川県在住。葬儀は近親者で営まれた。
京都大学大学院を修了。島根大学退官後、韓国の鬱陵島と独島が旧鳥取藩の領土ではないと記した文書を見てから、領有権問題で積極的な研究や発言を続けてきた。1905年に独島を島根県に編集したとする日本政府の根拠に対しては、「江戸幕府も明治政府も竹島(独島)に対する領有権を主張したことがない。編入した際の閣議決定で『無住地』だとした以上、固有の領土とはいえない」と反論した。
一方、韓国に対しても、日本が1905年に独島を編入する前(1900年)に大韓帝国が出した勅令41号の中に示されている石島が、独島であるということを証明しなければならないと指摘。「そうでなければ当分、論争は続く」と話していた。
(2013.1.16 民団新聞)