【静岡】30日から静岡市で開催される第24回国連軍縮会議(国連軍縮部、国連アジア太平洋平和軍縮センター共催)を前に26日、江戸時代の朝鮮通信使に扮した市民約60人が市の中心部を練り歩き、「平和のメッセージ」を発信した。市が自主事業プレイベントとして企画した。正使、副使、従事官は民団静岡本部(金成根団長)の役員3人が務めた。
民団静岡から三使役
朝鮮通信使は市にゆかりの深い徳川家康が260年間にわたって築きあげた隣国との平和外交の象徴。華やかな時代衣装に身を包んだ市民の一行は、国王の書簡の入った輿や三使(正使、副使、従事官)など当時の行列の様子を再現して、駿府城跡地を周回した。
ここは現在、駿府公園となっているが、かつては家康が晩年を過ごし、朝鮮通信使の一行をもてなした駿府城が建っていた場所でもある。
公園の中心に建つ家康の銅像前では一行を代表して正使に扮した金団長が、「家康公が願った朝鮮と日本の友好の精神を胸に刻み、これからも韓国と日本が末永く仲良くやっていけるよう努力します」と誓った。この後、多くの買い物客でにぎわう中心市街地の呉服通りを練り歩いた。
今回の朝鮮通信使行列を準備した静岡市経済局商工部の担当者は、「地元が家康公の平和外交の舞台だったことを知ってもらい、市民として誇りを持ってもらう」のが狙いだと強調した。
周辺では韓国のゆず茶と日本の緑茶各500人分を振る舞い、映像作品「駿府発・21世紀の朝鮮通信使」(07年)やサムルノリ演奏も披露された。夕方からは静岡での第24回国連軍縮会議開催を祝う「朝鮮通信使・平和の灯り」が、田辺信宏同市長と比較文化学者の金両基さんによって点灯された。
今回のプレイベントの開催に先だって静岡市は、市と朝鮮通信使との関わりについて知ってもらおうと、説明文を市内すべての小・中学校に配布した。第24回国連軍縮会議は2月1日まで市内で。15カ国3国際機関から約70人が参加する見込み。
(2013.1.30 民団新聞)