掲載日 : [2013-03-14] 照会数 : 5304
〈新刊紹介〉知られざる朝鮮王朝の歴史を知ろう
本紙連載の作家、康熙奉さんの新著『朝鮮王朝の歴史はなぜこんなに面白いのか』(じっぴコンパクト新書)がこのほど、実業之日本社から刊行された。
1392年から1910年まで、518年間続いた朝鮮王朝の歴史は、日本では長く未知なる領域だった。だが近年、朝鮮王朝を舞台にした韓国時代劇を通じて、知られざる歴史に触れることができるようになった。 本書は、518年間に起こった出来事のあらまし、守られてきた制度や習慣、そこに生きた人々の行状が紹介されている。
朝鮮王朝は権力闘争に明け暮れていた。11歳で6代王に就いた端宗の後見人となった別称「大虎」こと金宗端と、甥から王座を奪う戦略を練った首陽大君の対決は、朝鮮王朝を揺るがす大事件として1453年10月10日に起こった。
当時の襲撃シーンをイラストで再現。この出来事は「朝鮮王朝実録」に書かれているが、より面白く演出したのがドラマ「王女の男」だ。ドラマでの描かれ方を知るだけでも楽しくなる。
王の後継者をめぐって骨肉の争いがあれば、女性たちの凄まじい争いもある。「朝鮮王朝3大悪女」と言われる張緑水、鄭蘭貞、張禧嬪の表と裏もぜひ、押さえてほしい。
王の名の由来、ハングルを作った世宗、朝鮮王朝の歴史に残る4人、善隣外交の要となった朝鮮通信使や「宮廷女官チャングムの誓い」のモデルとなった医女、長今まで、朝鮮王朝に関する入門書として活用し、知識を広げてほしい。
定価800円(税込)。問い合わせは実業之日本社・編集(℡03・3535・2393)。
(2013.3.14 民団新聞)