康煕奉編著『韓流ドラマが10倍楽しめる 朝鮮王朝の衣食住』(じっぴコンパクト新書)が14日、実業之日本社から発売された。
朝鮮王朝時代の衣食住に関して、豊富な写真や図版を交えながらその暮らしぶりを紹介している。また「宮廷女官チャングムの誓い」や「王になった男」など、各作品の要所で登場する宮廷料理の調理法や成り立ちもよく分かる。
口絵では王や王妃の代表的な衣装や装飾品、韓服の着方、王の食事、両班と庶民の家などが32頁にわたって紹介されている。
宮中の衣装は身分に応じて厳格に定められていた。特に王や王妃の華麗な衣装は目を引く。色や素材だけではなく、衣装に施された刺繍や装身具の一つひとつにも理由があることが理解できるだろう。
また、王の寝間着や王妃の下着の洗濯、世子(王の後継者)の妻が王妃をひんぱんに訪ねる「ご機嫌うかがい」というあいさつの儀式で着る衣装などについての説明も。韓国時代劇ファンには、興味深い内容だろう。
時代劇で登場する王の食卓は豪華だ。身分制度の厳しかった朝鮮王朝は、職業だけではなく、献立や調理方法までも決められていた。王の場合は最大でおかずは12品。この品数の多さは、国の生産状況を把握し、民の暮らしを知る手がかりとした、王の知恵と配慮が反映されていたのだ。
見れば見るほど面白くなっていくのが韓国時代劇。朝鮮王朝の奥深い世界を知って、もっと楽しんでほしい。
定価800円(税込み)。問い合わせは実業之日本社(℡03・3535・2393)
(2013.3.20 民団新聞)