6月から全国公開へ
実行委「両国関係に光を」
室町時代の韓日交流の歴史を描くドキュメンタリー映画「李藝‐最初の通信使」(乾弘明監督、李藝啓蒙推進実行委員会製作)が完成し、近く劇場公開されることになった。
李藝は朝鮮朝前期の外交官。通信使・回礼使などとして京都、対馬、壱岐、九州へ使行すること40数回。倭寇によって日本に連れ去られた同胞667人の送還に努め、両国間の外交、経済、文化交流に貢献した。なかでも、日本から朝鮮に通交する者への今日でいうビザの発行や一種の貿易上の便宜措置は日本側にも歓迎された。長崎県対馬市の円通寺には05年、「通信使李芸功績碑」が建てられた。
映画では韓国人俳優のユン・テヨンさんがナビゲーター役を務め、釜山から京都までかすかに残された李藝のたどった足取りを追う。ナレーターはキャスターの小宮悦子さん。製作・総合プロデューサーを務めた益田祐美子さんは、「韓日関係がこれからどうなるか、繊細な問題がある今だからこそ、日韓関係に明るい光を投じることを願い、あえてこの映画の劇場公開を決めました」と話している。
韓日共同製作。韓国ではMBC系列でテレビ放送される。日本での劇場公開はヒューマントラストシネマ有楽町(東京)、名演小劇場(名古屋)、シネ・リーブル梅田(大阪)などで6月1日から。このほか、京都シネマ、広島サロンシネマ、福岡KBCシネマでも順次上映される。当日1200円。前売り鑑賞券(1000円)は近く発売の予定。
問い合わせは李藝啓蒙推進実行委員会(℡03・3261・3970)平成プロジェクト内。
(2013.3.20 民団新聞)