東京都教育委員会が新年度に発行する高校生向け副読本『江戸から東京へ』の改訂版から関東大震災時の朝鮮人虐殺に関わる記述を削除したことについて、研究者を中心に構成する市民団体が都教委に正確な経緯と事実認識をただす質問状を提出した。
問題としたのは、監修者の了解も得ることなく職責者の一存で「碑には……『朝鮮人の尊い命が奪われました』と記されている」と、虐殺の事実を単なる碑の解説とすり替えた手続き上の問題。その引用文も誤りで、正しくは「朝鮮人が尊い生命を奪われました」とされるべきだというもの。
変更前も虐殺した主体であるところの日本の軍隊・警察・民衆については明記していたわけではないが、同団体関係者は、「今回の書きかえには事実をさらに矮小化する意図が感じられる」と話し、「事実の矮小化という指摘が誤りであるならば、どのような『検証』を経て書きかえたのか。その過程を明らかにするべきだ」と指摘している。
質問状は比留間英人教育長に宛て、2月23日付で送られた。
(2013.3.20 民団新聞)