韓国コスメが日本をはじめ海外で注目されている。昨年の化粧品輸出額が初めて10億㌦を突破するなど、この10年間で10倍以上の伸び率を示した。品質向上にともなう認知度上昇と合わせ、K‐POPや韓国ドラマなど韓流人気が後押ししている。
10年間で10倍に
韓流人気が相乗効果
韓国政府は2008年、化粧品を「未来有望産業」に選び、メーカーの支援に乗り出すなど、国をあげて輸出振興を図った。
韓国医薬品輸出入協会によると、昨年の韓国化粧品の輸出額は10億6700万㌦、輸入額が9億7800万㌦と、輸出額が輸入額を初めて上回った。輸出額は10年前(02年)の1億2355万㌦に比べて10倍以上の増加で、10億㌦突破も初めて。
韓国コスメの最大輸出先は中国で、輸出総額の31・7%を占めた。次いで②日本の16・9%③香港12・8%の順となっている。
韓国コスメの品質改善にともなう認知度上昇や、特に肌質が似ているアジア圏での韓流人気が輸出拡大の原因と見られる。
韓国式のメイクアップ方法やヘアースタイリングを意味する「K‐ビューティ」への関心は高く、色白で肌の美しい韓国人歌手や俳優にあこがれ、メイクのノウハウを紹介する動画が人気だ。
韓国で新興化粧品メーカーのABLEC&Cは05年に日本進出し、ミシャ(MISSYA)ジャパンを設立した。毎年平均20%増と右肩上がりの成長を達成し、現在、首都圏を中心に沖縄まで全国に31店舗を有する。
同社の広報担当者は「基礎化粧品のスキンケアに人気があり、リピーターが多い。最近、広告モデルに東方神起を起用したところ、新規客が増えている」と、韓流効果を強調する。
韓国最大手のアモーレパシフィックは、日本の百貨店に出店したほか、「エチュードハウス」ブランドで多店舗を展開中だ。業界2位のLG生活健康も自然発酵化粧品「スム」などを販売している。
「BBクリーム」に代表される機能性化粧品に対する人気が高い。肌を再生・保湿・保護する成分が配合され、美容液としてだけでなく、美白・日焼け止めなどの効果も同時に含んでいる。
BBクリームはさまざまな機能の成分を配合しているので、化粧下地やファンデーションを使う必要がなく、短時間でナチュラルメイクができる点、幅広い年代層に受けているようだ。
(2013.5.22 民団新聞)