掲載日 : [2016-02-10] 照会数 : 8464
<韓日民間団体>「朝鮮通信使」世界記憶遺産へ共同申請書に調印
[ 「ユネスコ世界記憶遺産登録」共同申請書に調印した李文燮代表理事(左)と松原一征理事長 ]
資料333点 来年の登録めざす
韓日間の善隣友好の象徴である「朝鮮通信使」のユネスコ(国連教育科学文化機関)世界記憶遺産への登録をめざす韓国の「釜山文化財団」(李文燮代表理事)と日本のNPO法人「朝鮮通信使縁地連絡協議会」(縁地連。松原一征理事長)は1月29日、長崎県対馬市内のホテルで共同申請書に調印した。関連資料は外交記録、旅程の記録、文化交流関係記録で、韓日合わせ111件333点。「朝鮮通信使に関する記録 17〜19世紀の韓日間の平和構築と文化交流の歴史」として3月に申請し、来年夏の登録を目指す。韓国と日本の団体が記憶遺産登録を共同で申請するのは初めて。民団は中央本部や、朝鮮通信使にゆかりのある地域の本部などが縁地連に加入、積極的に支援している。
財団の李代表理事、縁地連の松原理事長が申請書に調印した。調印式には財部能成対馬市長、中村法道長崎県知事も参席し、日韓親善協会中央会の河村建夫会長、徐秉洙釜山市長のメッセージが放映された。
申請書案は、資料には「悲惨な戦争を経験した両国が平和の時代を構築、維持していく方法と知恵が凝縮されている」と言及。「両国の歴史的経験に裏付けられた平和的・知的遺産だ」と価値を強調している。
韓国側の資料は、朝鮮王朝がまとめた関連文書「通信使謄録」、通信使が残した日記や文化交流の中で作成された詩画など63件124点。
日本側は、対馬藩が国交回復実現のため改作したものも含めた「朝鮮国書」(京都大総合博物館、東京国立博物館所蔵)、「朝鮮国信使絵巻」(長崎県立対馬歴史民俗資料館所蔵)などの記録画、誠信の交流に力を注いだ対馬藩の儒学者・雨森芳洲の関連資料(芳洲会など所蔵)など48件209点。
松原理事長は「今回の申請の大きな意義は両国共同であることと、民間団体によるものであること。日韓両国民の歴史認識が共有され、平和構築が前進することを期待したい」と表明。李代表理事は「両国の価値ある記録物が世界遺産に登録されるよう、今後も関心と協力をお願いしたい。韓日が文化的に交流し共存共栄で繁栄に向かってほしい」と述べた。
朝鮮通信使に関する記録のユネスコへの共同登録申請は、12年5月に釜山文化財団側が、対馬市、山口県下関市、京都市、岐阜県大垣市、静岡市、栃木県日光市など、ゆかりの18自治体や44の民間団体などでつくる日本の縁地連に提案したことがきっかけになった。また釜山市は02年から毎年、対馬や下関など、朝鮮通信使が経由した都市で朝鮮通信使の行列を再現するイベントを行っている。
03年からは釜山で「朝鮮通信使まつり」も行われている。ソウルを出発して釜山に着いた朝鮮通信使の一行が、日本に向かう前に見送りの宴を行った永嘉台を復元し、朝鮮通信使歴史館も開設、運営している。
韓日双方は14年6月に共同登録推進委員会を発足させ、業務協力や学術会議を開催してきた。徐釜山市長は「朝鮮通信使に関する記録物の世界記憶遺産登録を韓日共同で推進することは、両国の平和・善隣の精神と伝統を世界に広くアピールするよいきっかけになるだろう」とその意義を強調してきた。
(2016.2.10 民団新聞)