掲載日 : [2016-04-20] 照会数 : 5353
<読書>外国人の法律相談Q&A第三次改訂版…父の死で相続は韓国法?
在日外国人の在留手続きや婚姻、親子関係、就労、税金など、生活に関する法律問題を、約120のQ&Aで解説した。巻末には各種相談窓口一覧も収録した。差別禁止事項としてヘイトクライムに言及したのも今日的だ。
一例にあげたのが、在日韓国人の父が債務(借金)を残し、母と子を残して亡くなったケース。プラスの財産のみ引き継ぐ相続の「限定承認」をするか、プラスもマイナスも財産を引き継がない「相続放棄」をするか。いずれの場合でも、日本の家庭裁判所でできるのかどうか。
確定的なことは言えないとしながらも、1,日本居住の父が日本で死亡、日本に債務を残した2,日本居住の相続人が日本の裁判所に申告するのであれば、相続の限定承認または放棄の国際裁判管轄権が認められるという。
しかし、相続の準拠法は「被相続人(父親)の本国法による」とされ、相続人である母と子は、韓国法によって、相続の限定承認、放棄をすることになる。この場合、行為の効力を定める韓国法か、行為の場所である日本法のいずれかに従うことになる。どちらの法に従うにせよ、裁判所への申告という方式に変わりはない。韓国内に利害関係人がいる場合も想定し、韓国の家庭裁判所にも限定承認、放棄の申告をしておいたほうがいいなどと助言する。
第一東京弁護士会人権擁護委員会国際人権部会編
ぎょうせい
(4500円+税)
03(6892)6508
(2016.4.20 民団新聞)