掲載日 : [2016-07-13] 照会数 : 5686
対北制裁・防衛さらに強化
米「人権リスト」…金正恩委員長ら指定
サード配備決定…核・ミサイルを封鎖
米政府は6日(現地時間)、北韓の金正恩党委員長ら15個人と国務委員会、安全保衛部、組織指導部、偵察総局など党・軍・政の8機関を「人権制裁リスト」に追加記載した。この日、議会に提出した報告で金委員長を「人権蹂躙の加害者」と規定したうえでのことだ。
人権問題を理由に「国家最高指導者」を名指して制裁対象にするのは米国史上でも前例がない。
これにともなう制裁は、米国内の資産を凍結し金融取引や米国への入国を禁止することが主な内容で、米国内に資産がなく交流もない北韓指導部に直接的な効果はないとされる。
だが、第三国に対して北韓指導部との金融取引を控えさせ、北韓指導部にはブラックリストに載せることで極めて不利な立場に立つことを知らしめるほか、6・25韓国戦争の休戦協定(1953年7月)を平和協定に転換する交渉を含め、北韓の対話提議を門前払いにする意味合いもある。北韓指導部に大きな打撃となる可能性が高い。
北韓当局は7日、制裁の無条件撤回を求め、撤回しなければ「超強硬対応措置」を取ると声明、米国の制裁を宣戦布告と受けとめ、対米接触を遮断し、戦時法を適用するとも強調した。「最高尊厳」への「侮辱」として激しく反発に出るのは織り込み済みのことだ。
国際社会の北韓に対する制裁は、核・ミサイル開発を阻止する分野では、国連安全保障理事会の2270決議で大幅に強化された。人権分野でも、国連人権理事会が北韓指導部の刑事責任を追及する専門家グループの構成や国際刑事裁判所(ICC)で司法手続きを進める決議を採択している。
米政府が金委員長らを制裁リストに追記載したことは、国際社会の取り組みをより強力に後押しする見込みだ。北韓を対象にした人権法設立の動きを見せる豪州やカナダにも影響すると見られている。
韓国政府は7日、米国の追記載について「北韓の人権状況の深刻さを国際社会に認識させ、関連する論議や措置の強化に大きく寄与することを期待する」と表明した。
韓米両当局は8日、米国の最新鋭地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」を在韓米軍に配備することを最終決定したと発表した。「北韓の核と大量破壊兵器、弾道ミサイルの脅威から韓国国民の安全を保障し、韓米同盟の軍事力を維持するための防衛的な措置」とし、配備先は今月中にも発表される。
両当局は「韓国配備のTHAADは、北韓の核・ミサイルに対してのみ運用される」と強調した。
北韓当局は11日、「配備される位置が確定するその時刻から、徹底制圧するための物理的対応措置が実行される」と「重大警告」を発した。
THAADの韓国配備には中国とロシアも強く反発しており、韓国政府は7日、外交ルートを通じて中ロなど周辺国に配備決定の背景を説明した。
(2016.7.13 民団新聞)