掲載日 : [2004-09-29] 照会数 : 8691
<住民投票条例>〞排除〟の論理覆す 斑鳩町が修正可決(04.9.29)
民団奈良の陳情実る
【奈良】合併の是非を問う条例の制定にあたって永住外国人の投票権を排除した条例を可決した奈良県斑鳩町議会が22日の本会議最終日、条例改正案を賛成多数で可決した。「永住外国人を住民投票から排除する法的根拠はない」と主張してきた民団奈良県本部の陳情が認められたもの。民団の主張が通ったことで、各地の運動にも大きな追い風となりそうだ。
斑鳩町の住民投票は西和地域7町合併の是非を問うもの。6月議会では投票資格を「20歳以上の日本人」として条例を可決したため、民団奈良県本部が「住民の基本的権利・義務は外国人にも認められ、永住外国人への投票資格の付与は当然」と抗議していた。
町議会では8月24日と9月14日の市町村合併調査研究特別委で審議したがまとまらず、22日の本会議で松田正議員ら6人が条例改正案を発議した。
賛成討論に立った飯高昭二議員は「民団をはじめとする各界からの陳情、要望は道理にかなったものであり、住民投票から永住外国人を除外する法理はない。この間、ご心配をおかけした関係各位に心からお詫びを申し上げたい」と傍聴席に向かって深々と頭を下げた。
一方、反対派の議員は「6月に全会一致ですでに決めたこと。民団の陳情書は住民投票での投票権を参政権と区別していない」と修正提案に異議を唱えた。
採決の結果、議長を除く15人の議員のうち11人が起立して賛成の意思表示を行った。この瞬間、傍聴席を埋め尽くした地元の民団本・支部役員、婦人会、青年会関係者から思わず「勝った。ひっくり返した」との声が上がった。
この結果、11月中旬に予定されている住民投票には約60人の永住外国人が投票できることになった。初めての投票を前にある団員は「これでやっと地域の人々と行動をともにできる。町の将来のため必ず投票に行く」と述べた。
李明洙民団奈良県本部団長(82)は「奈良・在日外国人保護者の会などと一緒になって最後まであきらめず毎回、傍聴席を埋め尽くしてきた熱意が通じた」と喜んでいる。また、金潤哲国際部長も「道理を尽くし、議会に正しく声を届ければ、必ずや住民投票条例に永住外国人を加えることができることが立証された」と話している。
総務省も「容認」見解
奈良県内では斑鳩町が永住外国人の住民投票を認めず、市町村合併審査特別委員会で審議を重ねている間にも王寺町、上牧町などの近隣町議会がこぞって永住外国人の住民投票参加に道を開いていった。
総務省でも「住民投票はあくまで賛成・反対の意思表示。投票権は地域住民に与えられるもの。永住外国人に投票権を認めるのは問題ない」との見解を10日、地元マスコミを通じて明らかにしていた。こうしたことも斑鳩町の排他性を際だたせる結果となり、民団側の主張の正しさを浮き彫りにしていった。
今回、斑鳩町が条例を修正可決した結果、県内8つの町村で実施の住民投票条例すべてで永住外国人の参加が実現したことになる。
(2004.9.29 民団新聞)