掲載日 : [2004-10-27] 照会数 : 3191
法と生活〈15〉 在外同胞向け最新法・制度(04.10.27)
(文責・民団中央民生局)
投資と金融取引㊦
1万㌦を超す外貨の搬入は事前申告必要
3 外貨の搬出と搬入
イ 原則
「外国人投資促進法」などによって認められた投資以外には、すべて外国為替取引法の規制を受け、外国為替取引法は、その規制対象を国籍とは別に居住者と非居住者の概念で把握している。
ロ 居住者と非居住者
▼内国人の場合
大韓民国国民は、原則的にその住所または居所が国内にあるものと推定し居住者としているが、次のような場合には非居住者と見なす。
①2年以上外国に滞在する目的で出国し外国に滞在している者②外国にある事業体(現地法人、内国法人の外国にある支店および事務所、国際機関を含む)に勤務しているか勤務する目的で出国した者③前述の場合を除き、出国後2年以上外国に滞在している者④前述の各項に該当する者で一時帰国の目的で入国し、その滞在期間が3カ月を超過しない者
但し、大韓民国政府の在外公館に勤務する目的で出国し外国に滞在している国民は居住者と見なす。
以前、在外国民は3カ月以上国内に滞在する場合は居住者と見なされ、外国から国内に搬入した支払い手段の搬出において制限を受けていた。3カ月超過滞在時には、韓国銀行総裁の許可が必要だが、許可される事例はほとんどなかった。
一方、外国人は6カ月以上滞在する場合、居住者と見なされ、在外国民より外国人を優待する結果を招いていた。在外同胞法は、このような不合理な点を改めるために、在外国民も外国人と同等の条件の下で外国から国内に搬入した支払い手段を搬出できるようにした。
▼外国人の場合
外国人は、その住所または居所が国内にないものと推定し非居住者としているが、次に該当する外国人は居住者と見なす。
①国内の事務所に勤務しているか国内で営業活動に従事する者②6カ月以上国内に滞在している者③居住者であった外国人で、出国後6カ月以内に6カ月以上国内に滞在する目的で再入国して滞在している者
しかし、国内にある外国政府の公館または国際機関で勤務する目的で国内に派遣され滞在している外交官・領事またはその随行人や使用人、外国政府または国際機関の公務で入国する者は、滞在期間に関係なく非居住者としている。
▼法人の場合
①国内に主たる事務所を置く団体・機関、その他これに準じる組織体②非居住者の国内にある支店、支社、出張所、その他事務所③大韓民国在外公館は居住者である。だが、①外国にある営業所その他の事務所②国内にある外国政府の公館と国際機関③外国に主な事務所がある団体・機関、その他これに準じる組織体④大韓民国と米合衆国間の相互防衛条約第4条による施設と区域および大韓民国での合衆国軍隊の地位に関する協定による米合衆国軍隊およびこれに準じる国際連合軍(以下「米合衆国軍隊等」とする)、米合衆国軍隊等の構成員・軍属・招請契約者およびその同居家族と米合衆国軍隊等の非歳出資金機関・軍事郵便局および軍用銀行施設は非居住者である。
ハ 外貨搬入手続き
非居住者が、合計金額米貨1万㌦を超える内国通貨、外国通貨等を携帯して搬入する場合、税関に申告しなければならない。送金の場合には送金受領人が銀行で確認を受けなければならない。
申告をしていない場合には、外国為替取引法第28条に基づき2年以下の懲役または1億ウォン以下の罰金に処せられる。
搬入(送金)した外貨を両替する場合、外国為替申告畢証および旅券を提示して人的事項が確認されれば両替は自由に行える。
ニ 外貨搬出手続き
事前申告した場合には、その範囲内で搬出が可能であり、違反時には外国為替取引法違反で刑事処罰される。
ホ 在外同胞の国内不動産売却資金の搬出
次に該当する者は、本人名義の国内不動産売却資金を外国に搬出することができる。
①海外移住法による海外移住者で外国国籍を取得した者(外国国籍同胞)②大韓民国国民で外国の永住権またはそれに準じる資格を取得した者等(在外国民)
搬出するためには外国為替銀行に在外同胞財産搬出申請書を提出しなければならず、不動産所在地管轄の税務署長が発行した不動産売却資金確認書等を添付しなければならない。
ヘ 非居住者の国内預金・信託取引
非居住者は外国為替銀行とウォン貨または外貨で預金取引または信託取引を行うことができる。 外貨預金は外国から送金された外貨や国内で認定された取引で取得した外貨を預けることができ、預けた資金は外貨またはウォン貨で引き出したり外国に送金できる。
ウォン預金は、預け入れおよび処分の性格によって①国内で取得したすべてのウォン貨を預けることができ、預けた資金はウォン貨のみで引き出すことができる預金と②外国から送金された外貨をウォン貨に両替したり、居住者とのウォン貨表示経常取引代金として取得したウォン貨を預けることができ、預けた資金は外貨で引き出したり外国に送金でき、国内株式投資資金として使用できるが、ウォン貨で引き出すことは許容されない預金の2つに区分される。
信託は外国為替銀行と外貨信託、ウォン貨信託のすべてが可能であり、契約期間が1年以上の場合だけ許容される。
4 金融取引
イ 在外同胞法上の特例
過去、在外同胞の金融取引時には非居住者に分類され、利子が高率の長期預金・信託預金等への加入が禁止されていたが、在外同胞法は国内の金融秩序に混乱を招かない範囲内で在外同胞も国内金融機関の利用において居住者である大韓民国国民と同等の権利を持つようにした。
但し、外国の短期投機資金(ホットマネー)を規制するために外国為替取引法が制限する行為は除外される。
前述ような恩恵を受けるためには国内居所申告をしなければならない。
ロ 金融実名取引
(1)実名取引の義務化
金融機関を利用する取引の場合、新規取引をしようとする時には実名確認を受けなければならず、その後の取引では確認手続きが省略される。在外国民など海外滞留者が海外の国内店鋪を利用する時にも実名確認をしており、在外国民が代理人を通じて口座を開設する場合には領事が本人の実名を確認した委任状と代理人の実名確認証票によって実名確認をする。 万一、代理人が在外国民登録簿上の名義人の直系尊・卑属または配偶者の場合には、代理人の実名確認証票と在外国民登録簿で実名確認が可能である。また、公証人が確認した委任状と本人の実名確認証票写本を国内の代理人に送付して実名を確認することもできる。この場合。代理人は国内に滞在する人なら誰でも可能で、ここには国内金融機関の役職員も含まれる。(但し、実名確認業務を直接担当する人は除外)
(2)既存の金融資産に対する措置
実名確認をしていないか実名でないと確認された1993年8月12日以前の金融資産の場合、支給・償還・還給・還買等が禁止されている。93年10月12日までの実名転換期間内に実名転換をしていない非実名口座を引き出す時には、93年8月12日現在の金融資産評価額徴収率50%を適用した課徴金を源泉徴収する。非実名資産から発生する利子および配当所得については90%(住民税含め99%)税率の税金が源泉徴収される。
実名口座の場合には、前述の実名転換期間に関係なくいつでも実名確認を受け金融取引が可能であり、何の制裁も受けない。
(3)金融取引の秘密保障
金融機関は名義人の書面上の要求や同意を得ずに金融取引に関する情報を提供したり漏洩してはならず、誰でも金融機関に従事する者に情報提供を要求することはできないようにしている。但し、裁判所の提出命令または裁判官が発行した令状によって情報提供を要求する場合、課税資料として提出する場合、金融監督院長が金融機関に対する監督・検査のために要求する場合、金融機関相互間の業務上必要な場合などは例外としている。このような金融情報の秘密保障規定に違反した者は、5年以下の懲役または3000万ウォン以下の罰金刑に処される。
(2004.10.27 民団新聞)