掲載日 : [2005-02-02] 照会数 : 3545
法と生活〈23〉 在外同胞向け最新法・制度(05.2.2.)
(文責・民団中央民生局)
相続税と贈与税
住所が海外の場合国内財産のみ課税
1 公証の意義
公証は特定の事実や法律関係の内容などを公的に証明する制度で、これを利用すれば生活の中で生じるさまざまな取引において紛争を予防したり紛争発生時に有力な証拠として活用することができ、裁判手続きを経ずに簡便に権利を実行することもできる。
2 公証機関
国内での公証は、公証認可を受けた法務法人や合同法律事務所または公証人事務室などで担当し、大韓民国領土外での公証は大韓民国在外公館の公証担当領事が行う。
3 公証の必要性
▼強力な証拠確保および紛争の事前防止
公証書類は民事裁判や刑事裁判で強力な証拠力となるので紛争発生時にその解決に有利なだけでなく、公証をした場合には紛争の発生を予防する効果さえ生じる。
▼迅速な強制執行
一定の金銭、代替物、有価証券の支給を目的にする法律行為に関して公正証書を作成すれば、支給が履行されない場合、複雑な裁判手続きを経ずに公証証書を作成した公証事務所で執行文の付与を受け、すぐに強制執行が可能である。
▼書類の必要要件
例えば、国外で家族と一緒に永住権を得た人が兵役免除処分を受けるため兵務庁に提出する永住権取得事実確認書は、該当在外公館の領事確認を受けなければならないのと同様に、国内行政機関に提出する一定の書類について在外公館の領事確認を要求する場合がある。
4 公証の種類
▼公正証書の作成
公証人が当事者の意思などを確認しながら書類を直接作成することをいう。前述したように一定の金銭などの支給を目的とする法律行為に関しては、強制執行を承諾する文句を記載すれば約定どおり支給されない場合すぐに強制執行が可能になる。
一般的に公正証書の作成は、このように裁判を経ず迅速に強制執行できるので利用が多い。相続人たちの遺産分配に関して遺言をする場合も、遺言公正証書を作成すれば非常に便利で、遺言者の死亡後、相続人間の財産紛争を防止することができる。
▼私書証書の認証
当事者が作成した書類上の署名捺印が本人の意思によるものに間違いないことを公証人が確認し、その事実を記載すること。認証は強力な証拠力があるという効果だけで、公正証書のように簡便に強制執行ができる効力はない。
▼確認
これは、在外公館の公証でのみ認定される制度で、文字どおり一定の事実を領事が確認するもの。
5 公証時の準備事項
▼身分証
公証を依頼する場合、住民登録証や運転免許証、旅券など写真を添付した身元を確認できる官公署発行の身分証明書を持参しなければならない。代理人によって公証を行う場合は、代理人の身分証明書のほかに本人の印鑑証明書(発行日から6カ月以内のもの)と委任状1通を持参しなければならない。ただし、確認の場合は不要である。
▼証人
遺言公証の場合は、証人が2人必要なので遺言する人と証人が一緒に公証事務所へ行かなければならない。この時、一定の範囲の利害関係のある人は証人になることができないので、事前に確認して行くのが望ましい。
6 相続税
イ 概念
相続税は死亡した人の財産を相続する人に賦課される税金である。財産相続は不労所得の性格を持っており、本人の努力よりは父母などの死亡という自然現象によって財産が世襲されるものなので階層間所得不均衡と生産意欲の低下という副作用をもたらす。
従って、相続税は特定人に対する富の集中を防ぎ、所得の再分配を図ることができるという点で重要な意味がある。
ロ 納税義務者
▼相続税の賦課対象
相続が開始された時、被相続人の住所や相続財産が国内にある時は、相続税法によって相続税が賦課される。
相続税の納税義務者は財産を相続した相続人であり、相続人が数名の場合にはそれぞれ相続した財産の範囲内で互いに連帯して相続税を納付する義務がある。
被相続人の住所が国内にあれば、すべての財産を相続財産とみて相続税が賦課される。被相続人が国内に住所を置いていない時は、国内にある財産のみを相続財産とみて相続税が賦課される。
▼相続持分および放棄
相続人が数名の場合、その相続持分は均等なのが原則だが、被相続人の配偶者がいる場合にはその配偶者の相続分が他の相続人たちの相続分より50%多い。
相続人が自分の相続分を放棄しようとする時は、相続開始後3カ月以内に裁判所に申告すればよい。
ハ 申告と納付
▼申告
被相続人すなわち死亡者が国内に住所がある場合、被相続人の死亡当時の住所を管轄する税務署に相続税を納付する。被相続人が国内に住所がない場合、国内にある財産の所在地を管轄する税務署に納付するが、国内の相続財産が数カ所にある場合には、相続財産の中で主要な財産の所在地を管轄する税務署に納付すればよい。
相続人は相続開始日(死亡した日)から6カ月(被相続人または相続人が外国に住所を置いた場合には9カ月)以内に管轄税務署に申告しなければならない。同期間内に正しく申告した場合には10%の相続税額控除の恩恵を受けるが、同期間内に申告しなかったり申告内容が不誠実な場合には20%の加算税が賦課される。
▼納付
納付すべき相続税額が1000万ウォンを超える時は、管轄税務署長に3年(ただし、家業相続財産の場合は5年、相続財産中、家業相続財産の占める比率が100分の50以上の場合は7年)の期間内で年賦延納(分割納付)の許可を申請できる。この場合、担保を提供しなければならない。
また、相続財産中、不動産と有価証券の価額が2分の1を超過し、相続税額が1000万ウォン以上の場合は、相続人が管轄税務署長にその不動産や有価証券で納付することを申請できる。
ニ 相続税額
▼基本原則
相続税額は相続税課税価額から各種相続控除を行い相続課税標準を算出した後に課税標準に税率を掛けて算出される。
相続税課税価額とは、相続財産の価額に相続開始日前10年以内に相続人に贈与した財産の価額と相続開始日前5年以内に第3者に贈与した財産の価額を合算した後、公課金と葬礼費用および債務などを控除したもの。このように相続財産に加算される贈与財産は、被相続人が国内に住所がある場合には国内・外財産を問わないが、被相続人が国内に住所がない場合には国内財産に限定される。
▼控除
このような相続税課税価額から、さらに基礎控除(2億ウォン)、配偶者控除(最小5億ウォン控除または法定持分内の実際相続価額中30億ウォン限度)、子女控除(1人当り3000万ウォン)、未成年者控除(500万ウォン×20歳までの残余年数)、60歳以上年老者控除(1人当り3000万ウォン)、障害者控除(500万ウォン×75歳までの残余年数)など各種控除対象金額を差し引き相続税の課税標準を算出するが、以上のような各種控除(配偶者控除除外)を適用する代わりに5億ウォンの一括控除を選択することもできる。
配偶者と子女が共同で相続した場合、配偶者最小控除5億ウォン、一括控除を選択した場合5億ウォン、合計10億ウォンが控除されるので、10億ウォン以下の財産を相続する場合には相続税をまったく負担しなくなる。
▼税額算出
このように相続税課税標準が算出されれば、課税標準に10〜50%の税率を掛けて相続税額が算出される。もし、父母がその子供がいるにもかかわらず直接孫たちに相続する場合には、相続税額から30%が加算される。外国にある相続財産に対して外国の法令によって相続税を賦課される場合や、前述した相続財産価額に含まれた贈与財産に対する贈与税額などは納付する相続税額から控除される。
具体的な税率は、1億ウォン以下は10%、1億ウォン超過5億ウォン以下は1000万ウォン+1億ウォンを超過する金額の20%、5億ウォン超過10億ウォン以下は9000万ウォン+5億ウォンを超過する金額の30%、10億ウォン超過30億ウォン以下は2億4000万ウォン+10億ウォン超過する金額の40%と規定されている。
7 贈与税
イ 概念
贈与税は他人から財産を無償で受け取った人が納付する税金である。贈与者が生きている間に贈与した財産に対して賦課される点で相続税と区別されるが、相続税と同様に不労所得に対する課税を通じて階層間の所得不均衡と特定階層や特定人に対する富の集中を緩和させる機能を果たす。
ロ 納税義務者
受贈者すなわち贈与を受けた人は贈与税を納付しなければならない。贈与を受けた人の住所が国内にある場合には、その贈与を受けたすべての財産に対して贈与税がかかる。国内に住所がない場合には、贈与を受けた財産のうち国内財産について贈与税を納付しなければならない。
贈与税の納税義務者は原則的に贈与を受けた人だが、贈与を受けた人が国内に住所がないとか住所が不明で租税債券の確保が難しかったり、贈与を受けた人が贈与税を納付する能力がない場合には、贈与者も贈与を受けた人と連帯して贈与税を納付する義務がある。
ハ 申告と納付
▼申告
贈与税は受贈者すなわち贈与を受けた人の住所地を管轄する税務署に申告または納付するのが原則である。しかし、贈与を受けた人が国内に住所がないとか住所が不明な場合には、贈与者の住所地を管轄する税務署が所管税務署になる。贈与者と贈与を受けた者がいずれも国内に住所がないとか住所が不明な場合には、贈与された財産がある所を管轄する税務署が所管税務署になる。
▼納付
贈与税を納付する義務がある人は、贈与を受けた日から3カ月以内に管轄税務署に申告しなければならない。
ニ 贈与税額
▼贈与税額
贈与税額は、贈与財産に贈与擬制財産を合算し、そこから配偶者控除(10年間5億ウォン)および子女控除(10年間3000万ウォン、ただし未成年者の場合には1500万ウォン)の贈与財産控除額を差し引き、贈与税の課税標準を算出した後に課税標準に税率を掛けて算出する。
▼贈与擬制財産
贈与擬制財産とは、実際に贈与されたかどうかに関係なく税法上贈与されたものとみる財産である。例えば、信託によって委託者が他人に信託利益の全部または一部を受ける権利を与えた場合、生命保険または障害保険において保険金受取人と保険金払込人が違う場合、特殊関係人に著しく低価や高価で譲渡または譲り受けた場合、特殊関係者に1億ウォン以上の金銭を無償で貸与した場合、非上場株式の上場等に伴う時価差益を得る場合などが含まれる。
▼税額算出
以上のような贈与財産と贈与擬制財産で配偶者控除と子女控除を通じて贈与税課税標準が算出されれば10〜50%の税率を掛けて贈与税額が算出される(贈与財産に伴う税率は相続税の場合と同一)。父母が直接孫に贈与する場合は贈与税額が30%加算され、外国にある贈与財産に対して外国の法令によって贈与税が賦課された場合、納付する贈与税額から控除されることは相続税の場合と同じである。
(2005.2.2 民団新聞)