掲載日 : [2005-02-02] 照会数 : 3419
李明守税理士の同胞税務相談(05.2.2)
ペイオフ対策の預金…名義変更に要注意
Q ペイオフ対策や相続税対策として、A銀行にある4000万円の定期預金を解約し、自分と配偶者と2人の子供の名義で1000万円ずつの家族名義の定期預金に分散しようと考えています。贈与税はどうなるのでしょうか。
A ①名義分散
02年4月より定期預金は元本1000万円プラス利息の定額保護、いわゆるペイオフが実施されています。今年4月以降は定期預金と普通預金が合算されるので両預金に分散もできません。ペイオフ対策で一番手っ取り早いのは、名義分散や金融機関の分散でしょう。
基本的に預金保険制度上では、たとえ小学生の名義であっても、家族は個々の預金者として扱われ、1金融機関1預金者あたり保護されることになります。しかし、保護は「実質的に本人名義」と判定された範囲だけになることも考えられます。
②生前贈与の対策
預金の名義を他の人に変えれば、税務上はその相手に贈与されたか否かが問題となります。
贈与となれば配偶者や子供たちに多額の贈与税がかかりますが、その前段で実質の所有者が誰かという事実認定がされることになるでしょう。
ペイオフ対策で贈与税が課税されたケースは聞かないところです。
例えば、キャッシュカードや通帳を本人が管理するなど、実質本人の所有が明確であれば贈与税の課税はないと考えて良さそうです。
ただし、名義借りということでも、それは本来の所有者のものとなり、その人に相続が起これば当然相続税の対象となります。ペイオフ対策のために家族名義に分散した預金を相続財産に入れず申告したことから、重加算税の賦課にまで及んだケースがあります。税務当局から家族名義の預金は被相続人が管理していたと認定され、相続人に仮装・隠ぺい行為があったと判断されています。
これらの対策として一番効果があるのは、本当に長期計画的に贈与することです。暦年贈与方式では1年間1人110万円の基礎控除額、相続時精算課税制度では要件に該当する場合に限り1人の特別贈与者につき原則2500万円まで特別控除額の非課税枠があります。
「適切な贈与額」を見つけ、最適の贈与計画を立て、この非課税枠を利用する生前贈与が対策として良い方法でしょう。
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略歴
イ・ミョンス。1958年下関生まれ。青年会中央副会長などを経て税理士の資格取得。今年3月に独立。福岡韓国商工会議所理事、福岡納税経友会顧問。℡092‐415‐3111。
(2005.2.2 民団新聞)