掲載日 : [2005-03-16] 照会数 : 5010
山古志村復興にかける 弘利さん(1級建築士)(05.3.16)
[ 地蔵堂の完成模型を示すさん(左端) ]
新潟中越地震で壊滅的打撃
地蔵堂、住宅建設へ
【兵庫】新潟中越地震で壊滅状態となった山古志村で、在日同胞ら有志が、村の復興と犠牲者の慰霊を願う地蔵菩薩像を安置する地蔵堂の建設を計画している。
御堂を設計するのは神戸市出身の1級建築士で在日3世の弘利さん(51)。建立委員会委員長も担う。雪どけを待って4月1日に着工、8月中ごろの完成を目指す。御堂はイスラム教や仏教、キリスト教、神道などの要素を取り入れてデザインした六角堂。復興、平和、友好のシンボルとして土砂崩れダムで被害の象徴となった池谷集落に建設を予定している。
御堂の建立計画は昨年末、運慶や快慶の流れをくむ京都の大仏師松本明慶さんから「山古志のために仏像を彫りたい」との申し入れがあり、具体化した。すでに9体ができあがっている。
お地蔵は笑顔とえくぼが浮かんだふっくらした顔立ち。手で触って木のぬくもりを感じることで心の安らぎを得られる。御堂には4体が安置される。残りは阪神大震災を体験した鷹取商店街、および三宅島、アフガニスタンに贈られる。
5日にはNPO法人グリーンアライアンスとさんを委員長とする建立委員会の呼びかけを受けた関西地区の有志が、神戸市長田区に集まって関西地区の山古志復興御堂建立委員会を発足。御堂建立と住宅再建を資金面で後押しするため、各地に募金を呼びかけている。委員の一人で民団兵庫県本部の金清吉監察委員長は「被災の大変さは経験した者でないと分からない。できるだけのことは協力していきたい」と話している。
この日、NPO法人グリーンアライアンスと全国の1級建築士で構成するリフォームシステム21全国連絡会が連携した住宅再建プロジェクトチームも同時発足した。
募金受付の郵便口座は00560・1・46213「山古志復興御堂建立支援」。
問い合わせは℡0258・92・5833 同委員会事務局。
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村の「職員」に 永住も決める
弘利さんは山古志村の長嶋忠美村長から昨年12月1日付で「山古志復興対策本部神戸分室広報企画係」に任じられた。企画と広報を担当する無給の役場「職員」だ。
職員としての初仕事は1月7日の山古志村復興事業記念公演だった。韓日国交正常化40周年記念事業として国営越後丘陵公園で「散打」の公演を取り仕切った。これから住宅や学校、集会所の建設にも力を注ぐ考えだ。
阪神大震災ではさん自身、神戸市長田区の事務所を全焼した。「同じ被災地として何かできることはないか」と村の復興座談会に参加するうち、いても立ってもいられず昨年12月22日、住民票を村に移した。長嶋村長や村民から温かく迎えられたことから村に骨を埋める決意を固めた。1月には兵庫の民団と婦人会の役員とともに慰問のキムチを届けた。
長嶋村長は「村の復興に欠かせない一人」と期待をかけている。また、村会議員の田中仁さんも「同じ被災経験を持つ長田区からさんのような方がここ山古志村に移り住み、村の復興に一緒になって応援してくれて励みになる」と語った。
(2005.3.16 民団新聞)