掲載日 : [2005-08-13] 照会数 : 5040
家族離散の苦悩いまも…帰国同胞の証言
[ 金道竜さん ]
金道竜さん(82)は18歳のとき、企業の「募集」でロシア・サハリンに渡った。46年、ソ連の人口調査で「無国籍者」とされた。金さんは生きるため仕事を転々とした。
ある日、「北朝鮮籍を取れば、故郷の慶州まで歩いて帰れる」と北の領事館サイドからささやかれた。望郷の念からいわれるまま、手続きした。無国籍では子どもを学校に入れられなかったからだ。66年に北韓に入国したが、監視社会と極端な金日成崇拝に幻滅した。もちろん、慶州に帰れるはずもなかった。
サハリンに戻り苦心の末にソ連籍を取った。韓国と国交のなかったソ連の国籍を取ることは、帰国の道を半ば放棄することを意味した。
金さんは00年2月、60年ぶりに永住帰国し、京畿道安山市内のアパートで夫婦2人で暮らす。年金があり、生活に不安はない。唯一の心残りは子どもや孫をサハリンに残したこと。「かなわないことは分かっていますが、子どもや孫と一緒に暮らすのが夢です」。
(2005.08.15 民団新聞)