掲載日 : [2006-04-26] 照会数 : 4242
<読書>わが家の民族教育 親43人の闘いの記録
在日韓国人弁護士第1号の金敬得氏が昨年末、多くの人たちに惜しまれながら、56歳の若さで亡くなった。
本書は、民族教育の問題をライフワークの一つにしていた故人が、生前に発刊を望みながらも、その夢がかなわなかったいわくつきの一冊である。共同代表を務めていた「民族教育を目指す東京保護者の会」の会報に宛てられた投稿をまとめた。
副題に「在日コリアンの親の思い」とあるように、在日同胞及び在日と結婚した日本人ら43人が、わが子の民族教育にどのように取り組んできたかを記した。発行者の新幹社・高二三代表は、「それぞれの親たちの地域や教育現場、日本社会での闘いの記録でもある」と語る。
在日の親と言っても、2・3世もいれば、いわゆるニューカマーもいる。子どもたちが通う学校も日本・韓国・朝鮮学校とさまざまである。共通項と言えば、親たちが味わってきた不本意な差別や葛藤を、わが子には経験させたくないということだ。在日が在日らしく生きることを保障される社会、その担保が民族教育だとの思いが全編から伝わってくる。巻末には、龍谷大学の田中宏教授による「在日外国人教育の歴史と現状」についての解説もある。
在日同胞、とりわけ就学前の子どもを持つ親には、大いに参考となるはずだ。
わが家の民族教育
金敬得編、新幹社
2500円+税
℡03(5689)4070
(2006.4.26 民団新聞)