掲載日 : [2008-01-16] 照会数 : 4275
<読書>21世紀の「朝鮮通信使を歩く」 一体化した人情と自然と歴史
07年は朝鮮通信使400周年の節目の年だった。日本各地のゆかりの地では、記念イベントが繰り広げられた。
中でも目を引いたのが、通信使が歩いたかつての道のりを再現しようと、ソウルから東京間を踏破した韓日・日韓友情ウオークである。本書は韓国体育振興会と日本ウオーキング協会のメンバーが4月1日にソウルを出発し、5月16日に東京・皇居外苑に到着するまでの46日間、総行程1129㌔をこまかに記録した一冊だ。
紐を解くと、朝鮮通信使って何? という素朴な疑問に答える解説から始まる。続いて韓国のルート、マップ、日程表が、読者を通信使の旅に誘ってくれる。行く先々の人々との交流を綴った紀行文には、人情の温かさと韓国と日本の自然がカラーで紹介されている。人間賛歌と自然の美しさは、連日30㌔のウオークの疲れを忘れさせたという。
在日韓国人2人を含む日本側隊長は72歳、隊員28人の平均年齢は65歳で決して若くはない。韓国での57回の食事が同じメニューにならないよう神経を使い、双方の交流を早めるためにひと口韓国語も取り入れるなど、気遣いが随所にあった。
「韓・日・在日の三者三様の協力が、通信使の善隣友好の精神に近づけている」との実感が、ウオーク成功の鍵だった。
(金井三喜雄編著、TOKIMEKIパブリッシング1700円+税)
℡03(3350)8836
(2008.1.16 民団新聞)