掲載日 : [2008-01-16] 照会数 : 4447
<読書>それぞれの韓国そして朝鮮 相互理解は草の根交流から
在日同胞の論客の一人でもある東大の姜尚中教授が、民族を超えた共生をテーマに、各界で活躍する10人と語り合った対談集である。ジャーナリストや作家、女優、映画監督など幅広い。
冒頭はジャーナリストの筑紫哲也氏。「愛国心」の本質について、9・11以降、世界中が排他的になり、問題解決を強権的に図ろうとするようになったということに共通理解を示しながら、互いの違いを認め合う多様性の確保が重要だと結論づける。
井筒和幸映画監督とは、北韓との関係をめぐり話を進める。共通項は「克服」で、姜教授は北を崩壊させるための外交ではなく、北と綱引きしながら交渉を進めていく中で双方の克服課題を示していく必要性を説く。井筒監督は「パッチギ」で在日と日本の少年たちがけんかを通して互いの関係を克服していく青春群像を描いた。決裂しても相手を亡き者にしない、互いに理解し合おうという視点がベースにある。
芸能界きっての韓国通として知られる黒田福美さんには、韓流の先鞭をつけたと評価。黒田さんは一般女性がリピーターになった理由として韓国人の人情を挙げ、韓国人の側も生真面目の日本人と知り合うことで日本に好印象をもったと語る。生身の韓日親善は交流から生まれるという実践が紹介されている。
(姜尚中ほか著、角川学芸出版1500円+税)
℡03(3817)8535
(2008.1.16 民団新聞)