掲載日 : [2008-02-06] 照会数 : 4887
<読書>韓国現代詩の魅惑 韓国人の心を知るポエム
韓国の大型書店には、独立したコーナーが設けられるほど、詩はポピュラーなジャンルだ。本書は植民地時代に『奪われた野にも春は来るのか』を発表した李相和から00年代に活躍する現代作家までの作品を、年代別に解説を加えて収めたものである。著者は早稲田大学の客員教授で、詩人・文芸評論家でもある。
韓国の現代詩を詳しく知らなくても、40年代に志半ばで福岡刑務所で獄死した尹東柱の名前と「死ぬ日まで空を仰ぎ見 一点の恥ずべきことなきを」で始まる詩、『序詩』は、どこかで接したことがあるだろう。
また、70年代に死刑判決を受けた後、国際的な救援活動で釈放された金芝河の作品『灼けつく喉の渇きに』の中の言葉、「息を殺してむせびながら お前の名を人知れず書く(中略)民主主義よ万歳」は、民主化を求めて立ち上がった人々に、エネルギーを与えたことだろう。
亡国の民の悲哀をうたった時代とは打って変わり、00年代は映画やマンガなどを媒介にした作品が一つの流れを作っているとの指摘に、隔世の感を覚えた。「韓国人の心を知ろうとすれば、韓国の詩を読まなければ…」と帯に書かれているが、欧米人が発する言葉の下敷きに聖書のエッセンスがあるように、韓国人の言葉には詩心があるのかもしれない。
(金應教著、新幹社3500円+税)
℡03(5689)4070
(2008.2.6 民団新聞)