掲載日 : [2008-04-16] 照会数 : 3914
<読書>アジアの花たちへ 歴史歪曲の極みを斬る
「従軍慰安婦」という言葉は、今でこそ一般的になってきてはいるが、91年、慰安婦にされた本人が、韓国やインドネシアで自ら名乗り出るまでは、「民間業者の仕業」として片付けられ、歴史の暗部にずっと放置され続けた。
何故、生き恥をさらしてまでハルモニたちは名乗り出たのか。それは、「正義を実現するため」だった。
生き証人による告発で日本の負の歴史にメスが入り、やがて教科書に記載が始まると、今度は「でっち上げだ」と騒ぐ勢力が、公然と教育現場に介入し、教科書からの削除を強行した。記憶に新しいところでは、その勢力と同根の安倍前首相が「強制の証拠はない」と発言、これに米下院議会が猛反発し、世界のニュースにもなった。突然首相が重責を投げ出す一つの引き金にもなったかもしれない。
本書は著者が83年から07年までの参議院議員時代、15年にわたり「慰安婦」問題で48回質問を行い、日本政府に責任を認め、謝罪と補償を行うよう求めてきた記録である。また、「過去の侵略戦争を美化し、女性の人権問題を軽視し、そのためには事実を隠し、意識的に責任を認めず、真実の究明を妨害するグループ」との闘いの書でもある。
この問題の解決なくしては、基本的人権の尊重を掲げる日本国憲法が泣くと、日本の良心は叫ぶ。
(吉川春子著、かもがわ出版1700円+税)
℡075(432)2868
(2008.4.16 民団新聞)