掲載日 : [2008-10-08] 照会数 : 4054
仮面で踊りウサ晴らし 安東の国際フェスティバル
[ 観客を舞台に誘い出して笑いをふりまく安東市の河回仮面舞 ]
笑って交流 庶民芸
韓国の各地に伝わる仮面劇を一堂に集めた第12回「安東国際仮面舞フェスティバル」が9月26日から10日間、韓国慶尚北道の安東市で開かれた。地元の「河回仮面舞」などに加え、韓国各地の仮面劇や日本、中国、タイ、インドネシアなど海外9カ国からの仮面劇も参加した。
韓国の仮面劇は昔から行われて来た。かつては村々の安寧と豊作祈願などのためだったが、朝鮮朝時代に支配階級の両班を風刺する庶民の芸能として発展した。
圧倒的な特権を持つ両班に対して、庶民(常民)は抵抗する術(すべ)もなく、「仮面劇」の中で、日ごろの鬱憤を晴らしていた。
かつては韓半島の多くの地方で行われていたが、現在では、今回参加した国の重要無形文化財に指定されている代表的な13の仮面劇などが伝承保存されている。
会場は安東市中心部から25㌔離れた洛東江沿いの河回地区の2カ所。安東市は人口19万人の儒教の影響が色濃く残る静かな田園都市。
「仮面をかぶれば、あなたの胸が心が躍り出す」をキャッチフレーズに行われ、連日たくさんの市民や韓国各地からの見物客に加え、日本など外国からの観光客も大勢訪れた。
メーン会場は20㍍四方の舞台を囲むように観客席が広がる。太鼓や鐘の演奏の中、仮面劇は演じ手だけでなく、観客も一緒に楽しむもので、仮面をかぶった数々のパフォーマンスに観客席には笑いが渦巻く。
代表的な「河回別神グッ仮面舞」の仮面の口元だけは演じ手のセリフが言いやすいように大きく開けられ、変化しないはずの仮面の表情がまるで人間の顔のように思えるほど表情が豊かに変わる。時には観客席の間に入っていったり、興に乗れば観客を舞台に誘い出して「演じ手」に変え、役者と観客が一つになっての舞台回しで進行する。
出し物は1時間ほどだが、どの仮面劇にも特徴があり、変化があって飽きることがない。また関連行事も数多く行われ、中でも白い仮面に思い思いの色やデザインで「自分流」の仮面を描くコーナーに人気が集まっていた。
日本からは神奈川県鎌倉市から「鎌倉神楽・面掛行列」が参加した。神事の後、神主がおひねりを投げると、「爺」「鬼」「烏天狗」「おかめ」などの行列を、見物していた子供たちが取り囲んで楽しんでいた。
「おかめ」の面をかぶった木村敏彦さん(61)は「韓国の人をとても身近に感じて楽しかった。これが両国の友情の証だと思います」と話していた。
金井三喜雄(フォトグラファー)
(2008.10.8 民団新聞)